工学部・橋本研究室がNEDOイベントで最終成果を報告 お茶会ロボットのデモを披露

 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)主催の「NEDO AI&ROBOT NEXT シンポジウム~人を見守る人工知能、人と協働するロボットの実現に向けて~」が1月16、17日、新宿・LUMINE 0(ルミネゼロ)で開かれ、国内で研究が進められている次世代の人工知能技術、革新的なロボット中核技術が集まった。

 工学部の橋本学研究室はデモ展示ブースに出展し、NEDO人工知能プロジェクトの研究成果である「お茶会ロボット(2.0)」を披露。研究には学生10人も関わっており、イベント当日は学部生1人(4年)、院生4人(修士2年2人、1年2人)が参加した。

 橋本研究室は、「次世代人工知能・ロボット中核技術開発/次世代人工知能技術分野」・「人工知能技術適用によるスマート社会の実現」プロジェクトリーダーの、産業技術総合研究所人工知能研究センター長の辻井潤一さんの研究プロジェクトのもと、同研究所の岩田健司さんのチームで研究を進めた。5年間の継続事業で今回が最終発表となる。

 展示した「お茶会ロボット(2.0)」は人間のように道具を使うAIロボット。スプーンなどの道具には「すくう、混ぜる」のような特定の使い方(機能)がある。ロボットは道具の形に作り込まれた機能を、深層学習を用いて学習し、腕にあるセンサーで自ら認識し、その結果をもとに適切なモノの持ち方や動かし方を自動的に算出することで、全自動でお茶をたてることができる。また動作の制限はあるが、人の動き方の軌跡を学習することで自然な動作パターンをロボットで再現した。

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デモの準備をする学生 ロボットについて説明する橋本教授

 17日には個別テーマの報告としてチームリーダーの岩田さんが「認識クラウドエンジンの構築」について成果報告を行い、高度な物体認識を実現するための認識ソフトウェアモジュールの開発やデータベース構築について、また、それらが実証実験として「お茶会ロボット(2.0)」に使用されていることについて述べた。 

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橋本教授、秋月秀一助教と研究室の学生たち

 橋本教授は、「この5年間の研究プロジェクトでは、秋月助教をはじめ多くの連携研究者や研究室の学生ら、さらに学内関連部署の強力な支援が得られたおかげで、"機能"認識やその応用など、世界初の新技術を世の中に送り出すことができました。関係各位の温かいご支援に深く感謝しています。このプロジェクトは今回でいったん終了ですが、AIロボットの研究はこれからも継続し、将来的には実際に工場などで使える技術に高めていきたい」と話し、NEDOプロジェクトについて「今回のイベントのオープニングで渡邊恒文さん(NEDOロボット・AI部プロジェクトマネージャー)が『ばらばらだった研究者がこのプロジェクトで一つになったことにまず意味がある』と話されており、他の研究者の方と関わり、研究を共有することができて、本当にそのとおりだと思いました」と振り返った。

 デモンストレーション時には多くの来場者や出展者、マスコミがブースの周りを囲み、NEDOや経済産業省の見学もあった。

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経済産業省の方がデモ展示を見学

2020/01/24

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