中京大学公開講座 経済・経営シリーズ第81回「特殊鋼が果たした役割、これからの使命」を開催

 中京大学公開講座で第81回目となる経済・経営シリーズが11月14日、名古屋キャンパスの清明ホールで開催された。「特殊鋼が果たした役割、これからの使命」と題した講演は中部経済同友会との共催、および中日新聞社、放送大学愛知学習センター後援で、100周年記念イベントの一環として行われ、一般、学生、関係者含を含む約350人が聴講した。

 講師は中部経済同友会代表幹事、大同特殊鋼株式会社代表取締役会長の嶋尾正さんを迎え、18世紀の産業革命以降、人々の暮らしの向上を牽引してきた「鉄」をテーマに基調講演が行われた。

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嶋尾代表幹事

 冒頭の挨拶で安村仁志・中京大学学長は、2023年に100周年を迎えるにあたっての意気込みや大学の使命・役割や社会に貢献できる人材育成への想いなどを語った。続いて中部経済同友会・教育を考え行動をする委員会の神野重行委員長からは、挨拶と嶋尾氏の紹介があった。

 講演は「鉄への親しみを少しでも持ってほしい」という挨拶に始まり、「鉄や特殊鋼の話」「会社を取り巻く環境」「令和時代への期待」をテーマに、人類と鉄の関わりや日本の鉄鋼業の歩みを振り返り、「特殊鋼」が果たすべきこれからの役割や使命などが語られた。また、鉄鋼業のもう1つの側面でもあるリサイクル産業、いわゆる国内発生屑のほとんどが蘇るという電気製鋼について、スクラップなどの鉄くずを、自社工場の電気炉で溶かしている様子なども映像で紹介された。

 今後の大展開の時代を迎えるにあたり、特殊鋼については、社会に与える影響の大きい自動車の克服すべき課題と大変革の必要性、また企業においては、国内市場が萎む中、最低限売上を維持するために付加価値の高い商品の提供、賃金や産業内競争環境の見直しなど真剣に考えていかなくてはいけないなどと述べられた。

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受講者でいっぱいの会場

2019/11/19

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