名古屋市科学館との連携講座開催 子どもたちと虹色の金属結晶づくり

 中京大学人工知能高等研究所と名古屋市科学館の連携講座「虹色の金属結晶を育成しよう」が8月31日、名古屋市科学館の第一実験室で開催された。これは「最高の科学技術を子どもたちに!-大学教授と学ぶものづくり-」をテーマに、中高生を対象に行われたもので、本学と科学館の連携事業は2013年から実施されている。100通以上の応募から抽選で選ばれた16組の親子が参加した。

HP4ビスマスが溶けるまで田口教授が金属の説明を.jpg  2サポートの大学生が各実験机に配備され.JPG

 実験の指導を行ったのは工学部の田口博久教授ほか。田口ゼミの学生が各実験机に一人ずつ配備され、参加者のサポートを行った。

 300度を超える液体化した金属を扱うため、中学生は保護者同伴での参加となった。今回は3つの実験が行われた。

 最初の実験は今回のメインとなるもので、金属(ビスマス)を溶かして液体(ビスマス湯)にして、これを冷却する過程で結晶を育成するというもの。金属がわずかでも飛び散ったり、水滴が入るだけでも事故につながるため、各自が耐熱手袋とフェイスガードを装着した。

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完成した結晶 それぞれ色も様々

 実験では、ステンレスカップにビスマスチップを入れ電気コンロで熱を加えて液体化させ、ビスマス湯を作り金属が解ける様子を観察した。340度になったところで加熱をやめ、ビスマス湯の中にピンセットを差し込んで静止し、結晶化するまで7分間待った。中には「もっと違う状態が見たいから」と10分間待ち大きな結晶を育成した男子高校生もいた。

 ピンセットを引き上げると、色も形もそれぞれ違う結晶ができあがった。結晶は「虹色金属結晶」と呼ばれ、赤、黄、青などに輝き、見る角度でも色が違う。参加者らはできあがった結晶を、しっかりと観察していた。

8ビスマス湯をカップに流し込む.JPG

ビスマス湯をカップに流し込み

固まっていく様子を観察

 次の実験では、結晶を引き上げたあとのカップ内のビスマスを再融解してビスマス湯を作り、カップ内でゆっくり固め、まだ完全に凝固していないカップ内の融液を別の容器へ移すと、参加者それぞれのカップの中には美しい結晶が現れた。

 最後の実験は、田口教授が、腐食金属・ガリウムを使って行った。微量でアルミ箔やアルミ鍋に穴が空く様子を見せると、参加者は、みな集中して見入っていた。

 合わせて3時間を超える実験は無事に終了し、参加者は満足そうな表情で自分たちが作った金属結晶を持ち帰っていった。

2019/09/06

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