学校スポーツの将来像を討論 中京大でのシンポジウムに23大学が参加

 学校におけるスポーツの将来像を議論する「大学スポーツ改革シンポジウム」が7月5日、「学校スポーツの現在地と思い描く未来」をテーマに中京大学名古屋キャンパス清明ホールで開かれた。中京大学と筑波大学アスレチックデパートメントの共催で、両大と日本福祉大、立命館大の4大学が討論に参加。各大学がそれぞれの大学スポーツの将来像を発表した後、パネルディスカッションで討論した。また、4大学を含め、関東から九州までの23大学関係者が聴講や質問の形で参加した。

 各大学の発表に先立ち、中京大の安村仁志学長が「大学のスポーツをどうしていくか、誰のためにやるのかが大事。スポーツの持つ力は大学にとっても飛躍のバネ、秘薬でもあります」と開会のあいさつ。筑波大アスレチックデパートメントの山田晋三・副アスレチックディレクターが「大学スポーツ協会(UNIVAS)に入っている、いないに関係なく、より良い大学スポーツを築きましょう。大切なことは協会が大学の意思の集合体であるべき」と述べた。

 各大学の取り組みなどの発表は日本福祉大から始まり、山本秀人執行役員が〈ふくしの総合大学〉として「教育の質的転換とその実質化に、スポーツ振興・強化を掲げる」ことなどを説明、続いて立命館大の伊坂忠夫副総長が「大学でやるということであれば、大学の研究成果を生かせる場面があることが大切」と強調した。筑波大の山田晋三さんと佐藤壮二朗・スポーツアドミニストレーターは、「大学スポーツは、大多数のアスリートではない学生にとってもメリットが必要」「スポーツの試合は学内の競技場などでホームゲームにして地域貢献や全学のポテンシャルをスポーツに結集することも重要」などと述べた。

 最後に中京大の種田行男副学長兼スポーツ科学部長が大学スポーツの位置づけについて、「体育会活動を正課外教育の一環として捉え、スポーツ振興に資することを目的する。今、より良いものにしていく途中にある」とし、スポーツの意義として、教育・研究活動、体育会活動、社会貢献活動を通じて学生の学力の3要素を高めることを掲げた。

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 パネルディスカッションは、スポーツ振興部の小栗優貴係長が司会を務め、大学スポーツの目的やスポーツと学業の両立などさまざまな取り組みや課題などに付いて討論が行われた。=写真上=

 大学スポーツシンポは最初、3月1日のUNIVASの発足を受けて、同月20日に東京・文京区の筑波大東京キャンパスを会場に同大アスレチックデパートメント主催で行われ、筑波、中京両大と神奈川大、関西学院大が参加した。今回は東海地区に舞台を移し、前回シンポでは中京大以外はUNIVASに加盟していなかったが、今回は筑波大を除き、UNIVAS加盟の大学だった。

 また今回は、シンポジウムと男子バレーボール交流戦がセットで企画されており、翌6日に中京大学豊田キャンパス大体育館(3号館)で中京大対筑波大の試合が行われた。中京大は6月末に行われた西日本学生選手権(西日本インカレ)で準優勝し、一方の筑波大は東日本インカレの優勝チームとあって、その情報を伝え聞いて熱戦を期待して訪れた豊田市民もいた。さらに大同高校バレーボール部の選手たちも会場に姿を見せ、熱心に大学生たちのプレーに視線を送っていた。

IMG_4084.JPG筑波大のスパイクをブロックする中京大(左) 現代社会1年 佐宗恵太 撮影

 第1セット終了後にフロアショーを披露した梅坪浄水スポーツクラブのキッズチアリーダーの子供たちやその保護者らも熱心に観戦し、スティックバルーンを手に声を張り上げるなど、約250人の観衆で盛り上がった。

DSC_6671.JPG梅坪浄水キッズチアの演技

 試合は中京大が0-3で敗れたが、客席からは中京大の健闘と、筑波大の強さにも大きな拍手が送られた。まさにホームゲームの楽しさと地域貢献へとつながる貴重な一戦だった。

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2019/07/09

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