工学部橋本学教授 NEDO人工知能プロジェクト成果をCEATEC Japan 2018で披露
幕張メッセ(千葉)で行われたCEATEC Japan 2018(シーテック ジャパン 2018)に工学部橋本学教授が10月16日(火)~10月19日(金)の4日間、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)とともに、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の人工知能プロジェクトの研究成果を出展した。
説明する橋本教授 |
今回出展したのは「道具を使って全自動でお茶をたてるAIロボット」。キーになる新技術は、日用品の「機能」の認識だ。コップやスプーンなどの日用品は、「小さなくぼみ→すくう」、「大きなくぼみ→水を蓄える」など、形から想起される機能を持っている。これを深層学習(ディープラーニング)用いて推定することに成功し、道具の使い方を自ら考えるロボットを実現した。
ブースでは、ロボットが目の前の茶さじや柄杓などの茶道具の種類や位置、機能を認識し、どの道具のどこを掴んでどう運ぶなど、事前の細かいプログラミングなしでロボットがお茶をたてる様子を実演した。今年のCEATEC来場者数は156,063人(主催者発表)であり、このブースにも連日多くの来場者が詰めかけた。この技術は国内のみならず海外のメディアも注目しており、開催中も多数のメディアの取材や、省庁幹部の視察があった。今後はこの技術を生かし、生活支援や生産自動化などに生かす予定。
海外メディアからも注目を集める |
橋本教授は「AI技術の代表例である深層学習の発展により、見えているモノが何かを認識する性能は格段に向上しましたが、人間のようなロボットの実現のためには、柔軟で知的なロボット動作が不可欠です。4年前から実施中のNEDO人工知能プロジェクトでは、この点に注目し、日用品の機能認識という新しい課題に取り組んできました。今回、CEATECという日本最大の技術展示会でデモシステムを出展できた意義は非常に大きく、国内外の多くの方に最先端の技術を見ていただけただけでなく、このロボットに不足している部分、今後さらに開発していくべき技術など、多くの課題も発見できました。今後の研究に活かしたいと思っています。このような機会を与えてくださった関係各位、および支援してくださったすべての皆様に深く感謝しています」と語った。
また、この技術開発の一部を担当した中京大学大学院工学研究科修士2年(橋本研究室)の飯塚正樹さんは「実用化への課題としてはロボットの動きとの連携があります。今後も研究を続けます」と抱負を語った。
視察する梅村理事長と橋本教授(左から) |