新しい119番通報システム PRに湯上選手が協力

 豊田市消防本部は10月1日、「Net119緊急通報システム」の運用をスタートさせた。火災や救急事案の発生時に電話通報で使うのが119番だが、聴覚や言語に障害のある人にとって電話通報は困難だ。そんな場合にスマートフォンなどを利用し、音声によらない119番通報をできるようにしたのがこのシステム。総務省消防庁は全国でのシステム整備の目標を2020年度に置いている。豊田市のシステム整備は愛知県内では3番目だという。

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取材を受ける湯上選手(右)

 同市消防本部はこのシステムを広く知ってもらおうと、報道機関に対し、9月末に記者会見を開いたが、その際、中京大OBで陸上競技男子円盤投げの日本記録保持者湯上剛輝選手(2015年度スポーツ科学部卒、トヨタ自動車)が一役買った。

 湯上選手は6月に山口市で行われた日本選手権で62㍍16の日本新記録で優勝し、2020年東京五輪を目指す選手の一人だ。先天性疾患のため、補聴器を使わなければ耳が聞こえない。普段から豊田キャンパスにある母校の陸上競技場で練習をしていることから、学内で開かれた記者会見で「Net119」の機器操作をデモンストレーションで披露した。

 消防本部職員から教わり、スマホを使って通報をして見せた湯上選手は、記者の人たちからの写真撮影などの注文にも応じ、「GPSやチャット機能も使えて操作しやすかった。通報というと電話のイメージがありましたが、体験させてもらって不安がなくなりました」と笑顔を見せた。

 システムの詳しい説明は、豊田市消防本部ホームページで。

2018/10/05

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