国際教養学部の学生が「トビタテ!留学JAPAN」の留学から帰国

 文部科学省が留学促進キャンペーンとして官民協働で行う海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN」で約11か月間、フランスに留学した中村僚我さん(国際教養学部3年)が国際センターで帰国報告した。

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留学を振り返る中村さん

 中村さんは「フランスから『日本酒』の可能性を広げる」をテーマに留学。はじめの4か月はレンヌの語学学校に通い、東海地区に製造元がある日本酒の試飲会のイベントを行った。イベント終了後はパリに移動し、Kura Master(フランスで開かれる日本酒コンクール)でインターンシップとして働いた。並行して、日本酒の輸入会社Gallery K Parisでも営業や貿易について学んだ。

 Gallery K Parisの代表である宮川圭一郎さんはフランスに日本酒を広めたパイオニアとして知られており、Kura Masterも主催している。中村さんも日本にいる時にテレビで宮川さんを知り、憧れを抱いていた。フランスの日本酒イベントに足を運んだ際に宮川さんと知り合い、インターンシップをさせてもらうことになった。コンクールの広報や、フランス人ソムリエ招待のための連絡、またコンクール以外のイベントの企画・運営を行った。

 

 中村さんはもともと、パリで今年開催される「ジャポニズム2018」に絡めて、東海地区の酒蔵と協力し、トビタテ生にも呼びかけてイベントを計画していた。大使館とも話し、調整に努めたが、費用や効果の面からイベントを断念せざるを得なくなった。

 レンヌで開いた試飲会は成功したが、「協力してくれた酒蔵さんに申し訳なく、実際にイベントを開いて日本酒を広められなかったことで自分一人で行うことの無力さを痛感しました。大きな挫折でした」と話す。

 ただ、「日本酒を広めたい」という思いは宮川さんのもとで働いたことで明確化になった。「自分が発信する側として、影響力のある人間になりたい。『好きなことを発信する』ことが今後やりたいことの基準になると感じました」と話す。

 フランスでは、日本酒の良さを伝えるために説得力のある説明ができないと伝わらないことを知った。「ソムリエ学校に通い、飲食のプロフェッショナルとして良さを伝えられるようになりたいです。そうすれば日本酒をもっと広められるのではないかと思います」と今後の目標を語った。

 「トビタテ!留学JAPAN」で留学したことについて中村さんは、「一番よかったのは、全国のトビタテ生とつながりを持てたこと。発信している活動、経験を聞くことで、自分が学べる機会も増えました」と振り返った。

2018/08/03

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