台湾・国立嘉義大学と硬式野球部国際親善試合 2戦とも中京大が勝利

 嘉義大との硬式野球国際親善試合第2戦が8月3日、豊田市運動公園野球場で行われ、中京大が初戦に続いて5-0のスコアで連勝した。これで今回の交流戦は終わり、通算の対戦成績は中京大の6勝1敗となった。

▽国際親善試合第2戦(豊田市運動公園野球場)

中京大 0 0 1 0 0 1 0 2 1 5
嘉義大 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

 中京大が4番松井祐紀選手(スポーツ科2、掛川西)、代打廖本暠選(スポーツ科2、台湾・秀峰)の本塁打などで着実に得点を重ね、小刻みの投手リレーで嘉義打線を2試合連続で零封した。

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本塁打を放ち、三塁を回る廖選手

 この国際親善試合のきっかけとなった1931年夏の甲子園決勝、中京商業-嘉義農林の試合で嘉義農林のマウンドを守ったエース呉明捷投手の息子、堀川盛邦さん(埼玉県在住)が野球場に姿を見せた。ネット裏で最後まで「ともかく1点を」と嘉義大に声援を送ったが、「昭和6年の決勝(0-4)と同様でしたね」と少しがっかりの様子だった。

 堀川さんは試合後、嘉義大ベンチを訪れ、呉明捷の息子であることを話すと、監督以下選手たちも「えーっ」と驚きの表情だったが、すぐに笑顔に変わり、握手をしたり、記念写真を撮ったりと短時間ながらベンチ前が交流の場となった。

 また、この試合で本塁打を放った台湾からの留学生、廖選手も話の輪に加わっていた。

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堀川さん(右から3人目)

(第1日目 8月2日)

 3年目を迎えた中京大学と台湾・嘉義大学の硬式野球国際親善試合の初戦が8月2日、炎暑の名古屋市・パロマ瑞穂野球場で行われた。試合は四回までノーヒットに抑えられていた中京大が五回、集中打で一挙4点、七回にも追加点を挙げ、守っては4投手が完封リレー、5-0で勝利した。

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試合開始前のセレモニー

▽国際親善試合第1戦(パロマ瑞穂野球場)

嘉義大 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
中京大 0 0 0 0 4 0 1 0 X 5

 この親善試合のきっかけは、今夏ちょうど100回となる甲子園大会だ。今から87年前の1931年の大会決勝で対戦したのが中京商業学校と嘉義農林学校だった。結果は中京商業の初優勝だったが、両チームの戦いぶりは日台の野球ファンの間で、長く語り継がれてきた。2014年にそれをテーマに台湾で映画「KANO」が製作され、翌年には日本でもヒットした。そして両校の流れをくむ中京大と嘉義大は2015年12月に学術交流協定を結び、2016年8月に日本で第1回の親善試合に漕ぎつけた。2017年2月には台湾で2回目を開催し、これまで計5試合を行ってきた。

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先制のホームを踏んだ大澤勇介選手

 そしてこの日の試合にはちょっとしたドラマがあった。演じたのは廖本暠選手。今年度、台湾の輔仁大学体育学部からスポーツ科学部競技スポーツ科学科2年に編入した。大谷翔平選手のビデオを見て「何としても日本で野球をしたい」とスポーツ科学が充実している中京大を選んだという。

 ドラマは七回。4点をリードした中京大が無死満塁と大きく差を広げる好機をつかんだ。廖選手はここで代打に起用された。カウント1-2と追い込まれたが、4球目のアウトコース高めのストレートをうまく左翼に流し、犠牲フライで5点目の走者を迎え入れ、勝負を決定づけた。

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5点目の犠牲フライを打った廖選手

 「国際試合は初めて。それも自分が台湾と戦うとは。平常心で頑張ろうと思っていました。実は昨年、輔仁大の時に、嘉義大と試合して三振に倒れているんです。だからうれしいです」。日本に来るために高校時代から一生懸命学んだという日本語は実に流暢だ。1㍍90の恵まれた体は、大きな可能性を秘めている。「とにかく大好きな野球で頑張ります」。目が輝いていた。

2018/08/03

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