中京大学とNTT西日本がトップアスリート育成のトライアル開始を発表 ICTを活用した研究に期待

 中京大学とNTT西日本は12月1日、中京大学豊田キャンパスで共同記者会見を開き、ICTを活用したトップアスリート育成のための共同研究を開始すると発表した。
 NTTのICT技術と、さまざまな競技でトップアスリートを抱え、スポーツ科学や情報工学の研究に蓄積のある中京大がともに手を携え、トップアスリートの育成に新たな試みを実施する。梅村学園の梅村清英総長・理事長とNTT西日本の山本尚樹取締役東海事業本部長が協定書に調印し、この日からスタートした。2018年の平昌冬季五輪に続く20年の東京五輪に向けて研究の成果が期待される。

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梅村総長・理事長(左)と山本東海事業本部長


 具体的な取り組みは、NTTが開発した機能素材「hitoe(ひとえ)」を用いたセンサー付きのウエアを選手が着用してトレーニングをし、心拍数、3軸加速度などのバイタルデータを取って分析し、より効率的なトレーニング方法の実現を目指す。また、自動撮影したフォームの映像を指定の時間だけ遅らせて自動再生し、比べたい自らの別の映像と自動的に同期させることで比較しながらフォームのチェックをし、その有効性を確認する。
 機能素材は水中でも使用でき、水中で取得したバイタル信号からさまざまなデータが得られることから、当面、陸上競技、スケート競技に加え、水泳でも活用し、トレーニング管理や選手強化に生かせる技術の蓄積を目指す。

 梅村総長・理事長は「私どもの大学には多くのアスリートがおりますし、学部でこれまでに蓄積した研究成果もあります。NTTさんのノウハウにより、さらに幅広い波及効果が生まれることを期待しています。将来は中京大だけでなく、大きく広がっていけば良いと考えています」と述べ、山本東海事業本部長は「いろいろな競技のトップアスリートが集まる中京大はベストなパートナーだと本当に感じています。これが日本全体にレベルアップにつながっていけば光栄です」と今後の共同研究成果への期待感をにじませた。

 この日はデモンストレーションで実際に陸上競技部の走り高跳びの選手の跳躍映像を撮影し、跳躍コーチも参加して遅延同期ビデオのフィードバックによるフォームなどの比較評価を確かめた。 棒高跳びの撮影動画はこちら

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走り高跳びのデモンストレーションを取材する報道関係者

2016/12/01

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