中京大学公開講座「IoTで変わる社会」 坂村健東大教授熱く語る

 中京大学市民公開講座「ソフトサイエンスシリーズ」が10月13日(木)、名古屋市科学館で開催され、坂村健東京大学教授・ユビキタス情報社会基盤センター長が『IoTで変わる社会-インターネットがつなぐモノのひろがり-』と題して講演した。会場定員320人を上回る参会者が会場のサイエンスホールに溢れ、IoT技術や人工知能研究に対する社会と市民の関心の高さが窺われた。

 坂村先生1021-a.jpgのサムネール画像
坂村健東大教授



 坂村教授は、IoTの本当の普及はそれを受け止める社会も構成員一人ひとりも系列化された企業体質も『ひたすら”オープン化”されることであとについてくる』と力説した。これは社会や国家の保安(security)の思想から脱却して、統制(governance)の思想へ移行することの重要性を指摘している。また、物流企業や輸送会社で実施されたデータのオープン化の試みが紹介された。驚くべき高効率で高品質のシステムやアプリが生まれることが実例で示され、“IoTで変わる社会”を印象付けた。

会場の様子1021-a.jpg
参会者で溢れた会場



 講演の冒頭で、IoTの創始に対して坂村教授に贈られた『ITU(国際電気通信連合)創設150周年』(ITU150AWARD)が紹介され、TRONアーキテクチャとIoT構想が情報科学技術界のノーベル賞的貢献が顕彰されたことも、会場の参会者に強い印象を与えた。

 主催は中京大学人工知能高等研究所、名古屋市科学館、中部経済同友会で、中京大学理工系四半世紀記念事業講演会として開催された。10月・11月には人工知能研究の第一人者らを招いて学生向けレクチャーシリーズ(全4回)が予定されている。

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前列右より梅村清英総長・理事長、坂村健東大教授、輿水大和人工知能高等研究所長


2016/10/13

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