トップアスリート育成事業「CISP」を学内外で本格展開 ミズノとの連携協定締結を契機に

 中京大学は、ミズノ株式会社との連携協定締結を契機に、トップアスリート育成事業「CISP」(Chukyo University Institute of Sports Performance)を、学内外で本格的に展開する。梅村学園の梅村清英理事長とミズノの水野明人代表取締役社長が3月14日の連携協定締結の記者会見をした際、提携内容の一つとしてCISPの取り組みを発表した。
 CISPは過去5年間、米国のEXOS社(旧AP社)の支援を受け、選手を指導するノウハウを蓄積すると同時に、ケガの予防・回復、動作改善、運動能力向上につなげるシステム(仕組み)を構築してきた。中京大学独自のメソッドに基づき、オリンピック選手から学生アスリートまで、年間を通じて支援する仕組みを整えた。
  今後は、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックを展望し、トップアスリートの育成、学生トレーナーの育成、本学の教育・研究との連携、地域への貢献を推進し、アスリートの競技力向上に寄与していく方針。CISPは、「梅村学園・中京大学スポーツ将来構想会議」(議長・北川薫学事顧問、略称スポーツ会議、2015年9月設置)の主要事業に位置付けられている。

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 CISPトレーニングを紹介する市川選手(左から2人目)とディーン選手(右から2人目)。左端は高谷トレーナー、右端は西脇トレーナー

 
CISPの特徴は「4機能連携」にある。ケガの診断・治療をする清水卓也・保健センター長(スポーツ科学部教授、医師)、主に動作改善を担当する高谷温子トレーナー(パフォーマンス・セラピスト)、筋力・スピード・パワーを向上させる西脇崇量トレーナー(パフォーマンス・スペシャリスト)、コーチ(クラブの指導者)の4者が、情報を共有し、互いに連携して個々の選手に対応する仕組み自体が、最大の特徴となっている。4機能連携のトレーニングの仕組みを整えた大学は例がない。
 大学では、教育・研究との連携ができ、トレーニングの実証研究など科学的なアプローチができる利点がある。大学内のスポーツの現場で連携する仕組みを整えたことで、それぞれの選手の競技力向上に直結し、シーズンを通して継続的に支援することが可能になった。
 極限に近いトレーニングをこなす選手たちは、常にケガと隣り合わせの状態。CISPでは、ケガからの復帰を手助けするとともに、ケガの未然防止にも取り組んでいる。

 CISPの今後の展開は、本学豊田キャンパスを練習拠点にしているミズノトラッククラブ所属の市川華菜選手(陸上短距離、2012年度体育学部卒)、ディーン元気選手(やり投げ)のトレーニングを正式契約により週2回実施することになった。2選手の強化を支援するとともに、CISPメソッドの高度化にミズノと共同で取り組む。他社のトップアスリートについても、契約を検討している。
 また、2016年度入学生から、スポーツ科学部認定科目として「CISPパフォーマンストレーニング」が開講されることが決まっている。講座はCISPオフィスの松下裕輝係長(パフォーマンス・マネジャー)、高谷トレーナー、西脇トレーナーが非常勤講師を兼務し、学部学生にCISPメソッドを講義する。同時に、学生トレーナーの育成もしていく。
 本学体育会クラブに浸透させるため、強化クラブ(陸上競技部、水泳部、硬式野球部、サッカー部、スケート部、アメリカンフットボール部)の中心選手70-80人を直接指導。他のクラブについても随時、支援を拡大していく。学内外のセミナー、講習会を適宜開催し、選手や指導者らにCISPメソッドの普及にも取り組む。

 

2016/03/15

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