2,746人が新たな門出 2020年度卒業式

 中京大学の2020年度卒業式が3月19日、日本特殊陶業市民会館(フォレストホール)で行われ、学部生2,681人、大学院生65人が、卒業という新たな門出を迎えた。

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 昨年度は新型コロナウイルスの流行を受け、「web卒業式」としたため、2年ぶりの対面での卒業式となった。本年度は、混雑緩和のため例年の午前午後の二部制から、三部制に変更され、参加者は学生のみとなった。会場内は、座席を1席以上空け、飛沫防止のアクリル板を設置するなど、あらゆる面で感染対策を万全に期して開催された。

 保護者や来賓のため、webでのライブ配信も行われる中で始まった式典。厳かな雰囲気のなか、大学院、学部各代表学生への卒業証書の授与や、学業や課外活動などで優秀な成績を修めた学生への学長賞をはじめとした各賞が贈られた。

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種田副学長 式辞

 体調不良の安村仁志学長に代わり種田行男副学長が、新型コロナウイルスの流行を人類の"試練"であると例え「皆さんは今回の試練を通じて確実に、今まで気づかなかったものに気づき、そこに新たな意味を見出し、新たな勇気と希望を与えられたに違いありません。皆さんは、これからの時代を生きていく人たちです。重荷としてではなく、着実に新しい課題に挑んでいくチャレンジのうちに生きていってください。大学はいつまでも皆さんを応援します」と激励を込めた式辞を代読した。

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梅村総長・理事長 祝辞

 梅村清英総長・理事長は祝辞でコロナ禍での学生生活についての配慮と想いを述べ、「中京大学は、教育目標として『自ら考え、行動することのできる、しなやかな知識人の育成』を掲げています。将来が読みにくく、柔軟性が求められる時代であるからこそ、中京大学を巣立っていく皆さんのしなやかな感性に大いに期待したいと思います」と学び舎を巣立つ学生たちにエールを込めた言葉が送られた。

 式辞、祝辞をうけ、各部では卒業生の代表がそれぞれ大学生活への想いと感謝を込めた謝辞が述べられた。 

 式典終了後、スケート部の松田悠良さん(フィギュアスケート)が記者会見を開き、松田さんは「大きな怪我を経験するなど苦しい時期もありましたが、それ以上にこれからの人生においてかけがえのないものを得られた4年間でした」と学生生活を振り返り、「大学生活を通してフィギュアスケートが好きだという気持ちに改めて気づけました。今後は、支えてくれた周りの人たちに少しでも喜んでもらえる滑りができれば」と来シーズンへの抱負を語った。

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松田さん

 新型コロナウイルス流行のなか、感染防止の注意態勢のもと執り行われた式典だったが、出席者は、門出を学友と共に過ごせる喜びを改めて感じ、これから迎える新生活への思いを新たにしていた。

-卒業式・各部での学生代表謝辞- ※一部抜粋

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一部代表・高橋愛麗さん(総合政策学部)

 ゼミ活動が私の大学生活の大きな要素となりました。特に印象に残っているのが設楽町の地域活性化にゼミの仲間と取り組んだことです。夜遅くまで話し合い、時には意見がぶつかり合いながらも、1年かけて地域活性化への提案を完成させました。このような、机上の勉強にとどまらない、自分たちで考え一つのものを創り上げるという経験は非常に有意義なものとなり、将来、仕事でも地域政策に携わりたいと思わせてくれました。私はこの4年間、中京大学でしかできない経験を積み、将来への希望を抱くことができました。中京大学で学ばせてくれた両親や、真摯に指導してくださった先生方、切磋琢磨した仲間たちには、本当に感謝しています。

二部代表・福島雅貴さん(工学部)

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自分の大学生活を一言で表すと「想いと感謝」という言葉に集約されます。1年次の頃は毎週難易度が上がっていく専門科目の課題に、何度心が折れそうになったかわかりません。そして、どれだけ辛くとも自分1人で乗り越えていかなければならないと思っていました。しかし、家族や友人、教職員の皆様方をはじめ、多くの人々のご助力を受ける中で「1人ではない」と気づかされました。私はこの経験から、今度は自分自身が誰かを助けられる存在になりたいと決意し、さまざまなことに取り組んできました。その結果として、周りの人々に恵まれ、本当に素敵な人たちとかけがえのない時間を過ごすことができました。

三部代表・新宅璃子さん(国際英語学部)

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「自分だからこそ、できること」を見つけられた4年間だったと実感しています。私は、フィギュアスケートと勉学の両立を目指して国際英語学部への進学を決めました。転機となったのは、2年次の長期交換留学で訪れたアメリカです。派遣された大学には、「アスリートを支える」という立場の人たちがたくさん在籍していました。そんな彼らを見て私は、競技者として以外にも、自分には新しい価値を創造できるのではないかと気付きました。英語が話せる人も、スケートが上手な人もたくさんいる中で、「英語ができてスケートも滑れる」ことが、自分のユニークさであり、アイデンティティだと認識できました。「学術とスポーツの真剣味の殿堂たれ」は、中京大学の建学の精神です。勉学とスポーツの両立を目指せる環境がある中京大学だからこそ、実り豊かな出会いがあり、個性あふれる他者との交流の中で自分らしさを見つけ出すことができました。この4年間で得たご縁は、今後のわたしの人生において宝物であり、これからも続いていくものと信じます。

安村仁志学長の式辞(全文)

梅村清英総長・理事長の祝辞(全文)

2021/03/22

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