第41回ソフトサイエンスシリーズ「AIとロボット」をテーマにした公開講座を開催

 中京大学人工知能高等研究所主催の公開講座が10月19日、名古屋キャンパス清明ホールで開かれた。(愛知県教育委員会、放送大学愛知学習センター後援)梅村学園100周年記念およびソフトサイエンスシリーズ第41回目となる今回は、3人の講師による「AIとロボット」というテーマで行われた。

 冒頭では主催者代表として人工知能高等研究所の長谷川純一所長が挨拶し、講師の紹介やAIとロボットの分野の現状と将来を掴んでほしいと参加者に期待を寄せた。

 講演は中京大学工学部長の橋本教授の基調講演に始まり、株式会社オリィ研究所 代表取締役所長の吉藤オリィさん、早稲田大学理工学術院 基幹理工学部教授 尾形哲也さんの特別講演と続いた。当日は不安定な雨模様ではあったが、会場は高校生から一般の人たちまで200人を超える参加者で埋められた。

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橋本教授

 橋本教授の講演は「進化するロボットビジョン」をテーマに、「ロボットビジョンの基本」「競技大会にみるロボットビジョンの進化」そして「ロボットはなぜお茶を持ってきてくれないか?」など三つの話題が述べられた。人工知能のインテリジェンスやロボットの身体性などロボットへの期待が高まる一方で、その難しさとの両面が示唆された。

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吉藤さん

 続いて吉藤さんは「身体性を失った後の生き方 アバターロボット構想」をテーマに、自身の体験から「孤独解消」を目的とした自社で開発した分身ロボット『OriHime』を使っての具体的な活用例の紹介のほか、ボディシェアリングという新しい形の人と人とのつながりやマッチングに向けての新しいロボットの試みなども語られた。

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尾形さん

 最後に尾形さんの講演では「ディープラーニング(深層学習)によるロボット研究の新しい展開」と題して、実際にいくつかのディープラーニングを利用したロボットの統合研究を紹介。また今後の人間とAIとの共存や、予測不能な行動をとった場合のAIの責任の所在といった課題も示唆された。

 会の最後には参加者から講演者への質疑応答の時間も設けられた。

2019/10/23

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