加納政芳・工学部准教授と東郷製作所の産学連携商品
「何もできない赤ちゃん型ロボット」が1月21日に発売

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加納 政芳准教授

 工学部の加納政芳准教授が2008年から研究開発してきた『何もできない赤ちゃん型ロボット(愛称ベビロイド)』が、1月21日から発売されることが決まった。製作・販売は、産学連携で協力してきた部品メーカー東郷製作所(愛知県東郷町)。商品名はスマイビ、価格は68,000円(税別)。

 高い高いをすれば喜んで笑い、揺れが激しければ乱暴されていると感じて泣いてしまう。ベビロイドは内蔵されたセンサーで姿勢や揺れを感知し、喜怒哀楽を表情と音声で知らせる。「マーマ」などの言葉、笑い声や泣き声は500種類あり、本物の赤ちゃんの声を使用している。また、涙や頬の赤みはLEDによって表現し、内蔵されたマイクにより声や音にも反応する。

 何もできないロボットという斬新な発想で開発されたベビロイド。人が本来持っている『他人の世話をしたい』という感情を引き出し、高齢者の心を癒すことが期待される。

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 発売に先立ち、1月9日、記者会見が開かれ、テレビ局や新聞社など報道11社が詰めかけた。加納准教授は「高齢化が進み、高齢者が生きがいを感じるような生活環境の構築が一層重要になってくる。専攻の知能・感性ロボティクスをその分野でも役立てたいと考え、研究をスタートした。実証試験の段階で、高齢者9人に1カ月使用してもらったところ、『世話をするのが楽しい』といった感想や、抑うつ度の改善がみられた。今後は、独居高齢者の孤独回避などにも応用できるのではないかと考えている」と経緯や可能性について説明した。

2015/01/13

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