工学部/CEATEC2025 目加田教授・山田教授・道満准教授の研究成果を出展

日本最大級のデジタルイノベーションの総合展「CEATEC 2025」が10月14日から17日にかけて幕張メッセで開催されました。CEATECは、国内外の企業・団体が、次世代のテクノロジーやソリューション、サービスを発表する、デジタル社会の未来像を提示する国際的な展示会です。会場では、AI、ロボティクス、IoT、モビリティ、スマートシティなど幅広い分野における最先端の研究開発や社会実装の取り組みが紹介され、産学官が連携したオープンイノベーションの加速に向けた議論と交流が活発に行われました。
産官学連携の促進ならびに本学の研究シーズの発信を目的に、本学からは工学部の目加田慶人教授、山田雅之教授、道満恵介准教授の研究成果を出展しました。


また、目加田ゼミからは学生が出展に参加しており、3つのポスター展示についてブースを訪れた参加者に説明したり、質疑応答に対応したりする姿が見られました。参加した学生は、「どのようにすれば技術を知らない方に対しても魅力的な説明となるか考えさせられるいい機会になりました。また、来場者には専門知識を持たれている技術職の方もいて、とても建設的な議論もすることができ、大変勉強になる貴重な体験ができました」と語りました。
教員は「ゼミの研究テーマの参考にもなるようなニーズを聞くことができた」「様々な分野の方と話し合うことができ、貴重な意見や視点をもらえる良い機会となった」と語りました。
本学の出展
工学部情報工学科 教授 山田 雅之
くずし字や異体字、新旧字体、古語的な表現などにより、一般の行政職員や若手研究者にとって解読が難しい近代公文書(明治から戦前期まで)を対象に、手書き文字認識(OCR)システムを開発した。
台湾総督府文書を用いて構築した、文字にバウンディングボックスや字種ラベルを付与した大規模な高精度データセットを活用。行単位の画像認識および文字ごとの逐次的な予測により、認識精度95%(IoU0.5時のF1スコア)を達成。
この技術により、死蔵されている近代公文書の内容を容易にテキスト化できるため、日本近代史研究や行政資料の利活用に貢献できる。
工学部情報工学科 教授 目加田 慶人
超音波画像からの肝腫瘍検出や、手術の難易度推定など、多様な医用画像データセットを活用する機械学習手法を研究。
腹部超音波画像を用いた腫瘍検出では、アノテーションの有無や質が異なる複数データセットを統合し、自己教師あり学習や表現学習を導入することで、限られたデータセットでも有用なAIモデルを実現。
手術難易度推定では、腹部X線CT画像から抽出した画像特徴量(Radiomics特徴)と診療情報を組み合わせて、手術時間を高精度に推定するモデルを開発した。これにより、事前の診断・手術計画の精度向上と臨床現場への貢献が期待できる。
工学部情報工学科 教授 道満 恵介
コンピュータビジョン技術を活用したスポーツコーチングAIの開発。陸上競技(短距離走)、ラケット競技(バドミントン)、チアリーディングなど各種スポーツに適用可能なAI技術を実装。
映像から選手の姿勢や位置、アクションのタイミング・種別を認識し、フォーム解析や戦術分析、演技のシンクロ性評価など多角的なサポートを提供できる研究を行う。
また、異なる動画間でのフレームマッチングや、選手の姿勢を保持したままフォームを変換する機能により、イメージトレーニングの促進も可能にし、競技力向上とコーチングの高度化に寄与する。


