工学部/尾野さん「精密工学会IAIPサマーセミナー2025」優秀発表賞を受賞
賞の概要
尾野裕一朗さん(工学部機械システム工学科4年生)が、8月21、22日に開催された精密工学会画像応用技術専門委員会(IAIP)主催の「サマーセミナー2025」で優秀論文発表賞を受賞しました。発表タイトルは「眼球の回転運動と固視微動の3種の成分に学ぶSW格子を用いた異常部検出手法の提案」です。
サマーセミナーは、大学・学生・研究機関・企業等の交流と、画像処理技術に関する勉強・討論の場として、毎年開催場所を変えながら開催されています。特に若手が集い、互いの研究に対して率直に議論し合うことを目的としています。34回目となる今回は、金沢歌劇座で開催されました。優秀発表賞は、若葉研究者の集い発表の中から特に優れた研究発表に対して授与されます。
研究の概要
「眼球の回転運動と固視微動の3種の成分に学ぶSW格子を用いた異常部検出手法の提案」
著者らの研究グループでは、「傷の気づき処理」(以降、KIZKI処理と表記)と呼ぶ、外観検査のための画像処理アルゴリズムを提案している。KIZKI処理は、人の視覚生理機構の「周辺視」と「固視微動」から学びを得て試験的に実装され、様々な派生型が提案されている。本研究では、ブロックごとに異なる解像度を有するSW格子を用いたSpider Web-KIZKI(以降、SW-KIZKIと表記)について、その課題点を明確にしつつ、解決案として固視微動に備わる3種類の成分から学び、眼球の回転運動を模したサンプリング格子の回転を加えた新たなSW-KIZKIの形態を提案した。評価実験より、欠陥の検出範囲の拡大とより詳細な欠陥像が顕在化されることが確認された。
尾野さんのコメント
この研究は外観検査に関する研究ですが、同時に私がこの研究室を目指すきっかけとなった研究でもあります。なのでこのテーマで受賞できたことは、今後の励みにもなり大変嬉しく思います。青木研究室の皆様、共同研究者の輿水先生、ご指導いただいた青木先生に感謝申し上げます。
指導教員(青木公也教授)コメント
この研究は当研究室で長年取り組んでいる画像検査手法の最新版になります。尾野さんは当研究室に配属後、学部3年生の頃から学会にも積極的に聴講参加し、学部4年の5月には東京ビッグサイトで開催された、画像処理分野では国内最大級の学会「画像センシングシンポジウムSSII2025」での学会発表デビューを果たしました。そしてなんと2回目の学会発表で優秀発表賞の受賞となりまた。学会での受賞は一朝一夕にはいかず、尾野さんの日頃の取り組みが結実することとなり、私も大変うれしく思います。尾野さん、受賞、おめでとう!!
尾野裕一朗さん