2024年度第2回FDセミナー 合理的配慮の実践と学習支援
中京大学教育推進センターは3月25日、2024年度第2回FDセミナーを名古屋キャンパスで開催し、教職員201人が参加しました。今回は、臨床発達心理学を専門とする辻井正次教授(現代社会学部)の講演と、四国大学短期大学部の谷川裕稔教授による講演の二部構成で行われました。教育推進センターの大森達也委員長は、「多様な学生が入学する時代となりました。FDセミナーを通じて、さらなる中京大学の発展につなげていただきたいです」と挨拶しました。
第一部では、辻井教授が「"見えない障害"やその特性のある学生の指導のポイント―中京大学の現状を踏まえた青年期の発達障害対応について―」と題して講演しました。辻井教授は、内閣府が進める法整備に携わった経験を交えながら、合理的配慮の難しさと重要なポイントについて解説しました。また、障害を診断名だけで語ることの難しさを指摘し、「サポートをうまく使いこなせること、困ったときに『困った』と言える環境が大切です」と述べました。さらに、大学教員に向けて、授業で具体的に対応できる方法をイメージすることの重要性を強調しました。
第二部では、谷川教授が「アクティブラーニング型授業における合理的配慮の実践と学習支援」と題して講演しました。谷川教授は、学習支援の考え方とその役割について解説し、学士力を下支えする手段の一つとしてアクティブラーニングを紹介しました。一方で、アクティブラーニングを不得手とする学生がいる現状や、中教審が定めるアクティブラーニングの定義に関する問題点を指摘しました。また、グループワークが苦手な学生への対応策について、具体例を交えて説明しました。
辻井正次教授(左)と谷川裕稔教授(右)