名古屋市立大学との共同研究が日本パーソナリティ心理学会の奨励賞を受賞

 心理学研究科博士課程3年の古賀佳樹さんが筆頭著者として執筆した論文が日本パーソナリティ心理学会の奨励賞に選ばれました。論文題目は「ゲーム依存とアンヘドニア傾向の関連―行動活性化による介入可能性の検討」(著者:古賀佳樹・山本竜也・川島大輔)です。

 日本パーソナリティ心理学会では、前年度に「パーソナリティ研究」に掲載された論文の中から優秀な論文に学会賞、奨励賞が授与されます。今回の受賞論文は「パーソナリティ研究」の第29巻に掲載されました。

 この研究は、中京大学と「包括連携に関する協定」を締結している名古屋市立大学との共同研究の成果です。本学の古賀さん・川島准教授(心理学部)と名古屋市立大学の山本講師が共同で、ゲーム依存と行動活性化、うつ病の中の中核的な症状であるアンヘドニア(失快楽症)との関連を検討したものです。

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 子どものころはゲームに熱中することも珍しくありませんが、これに費やす時間が日常生活の割合の大部分を占めるようになって、生活を営む上で支障が出てくることがあります。このような状態はゲーム依存と呼ばれます。ゲーム依存は世界保健機構のICD-11という診断基準に「ゲーム障害」として初めて掲載されたことにより一気に注目を集めました。ゲーム依存に陥ると、以前は楽しむことができていたようなことであっても、それが楽しめなくなり、ゲーム以外に没頭できなくなってしまうことがあります。そして、ゲームをしなくなるとイライラや不安感、抑うつ感などの精神症状が出始めることも少なくありません。ゲーム依存に対する治療法は、そもそも診断基準が明確に示されたのが最近であることもあって、まだまだ発展途上だといえます。このような中で、ゲーム依存に対して行動活性化による治療可能性が示されたということは、大きな前進と言えるかもしれません。

 今後の研究の進展にも、ぜひご期待ください。

2021/10/01

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