桑村名誉教授が2021年度日本魚類学会論文賞を受賞
本学先端共同研究機構社会科学研究所特任研究員の桑村哲生名誉教授(元副学長)が、9月18~20日にオンラインで開催された2021年度日本魚類学会年会で2021年度日本魚類学会論文賞を受賞しました。
論文賞は魚類学会が過去3年間に発行した学会誌(Ichthyological Researchおよび魚類学雑誌)に掲載された優れた論文の著者を対象としたもので、昨年、桑村名誉教授が副学長・教養教育研究院教授として在任中にIchthyological Researchに掲載された総説論文「Hermaphroditism in fishes: an annotated list of species, phylogeny, and mating system」 (Kuwamura, T., Sunobe, T., Sakai, Y., Kadota, T., and Sawada, K., 2020)が、学会賞選考委員会で選考されました。
選考理由は以下の通りです。
本総説は、非常に網羅的な既報論文の精査によって、魚類の雌雄同体性に関する情報を高い精度でリスト化し、出現する分類群を整理するとともに、その進化の究極要因を配偶システムとの関連性に基づいて論じたものです。これまで同様の総説がなかったことや、その内容が極めて洗練されたものであることから、今後、世界中の研究者に有用な情報を提供するものと期待されています。また、魚類の雌雄同体性は、これまで魚類の行動生態学や繁殖生理学の分野で主に研究されてきた現象ですが、近年、オミクス分野やエピジェネティクス分野からの研究も増えつつあるため、Ichthyological Researchのインパクト・ファクターや国際的認知度の向上といった面での貢献も期待されることから、論文賞にふさわしいと判断されました。