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竹炭で放射性物質を吸着・除去
工学部の野浪教授らが実証

記者会見で説明する野浪教授(中)
記者会見で説明する野浪教授(中)

豊田キャンパスの竹炭窯(長谷川教授(左から2人目)、野浪教授(左か ら3人目)、大友教授(右端))
豊田キャンパスの竹炭窯(長谷川教授(左から2人目)、野浪教授(左か ら3人目)、大友教授(右端))

竹炭断面図(電子顕微鏡写真)
竹炭断面図(電子顕微鏡写真)

竹炭
竹炭

  中京大学人工知能高等研究所の野浪亨所員(工学部教授)らのグループは25日、竹炭が放射性物質のヨウ素やセシウムを吸着する優れた特性を持っていることを証明する実験結果を発表した。福島第一原発事故では、放射性物質による汚染水や土壌の除去が急務になっているが、現在使用されているゼオライトは輸送や製造コストが高いうえ、セシウムなどを吸着した汚染土壌もそのままの状態で放置されており、保管スペースが膨大になる。これに対して、竹炭は燃焼することで、吸着したセシウムなどを濃縮して取り出せるので、保管スペースが少なくて済む。近年、竹林は手入れされず放置されているケースが多く問題となっており、同大では、「放射性物質の除去に竹炭を活用することで、一石二鳥の効果が期待できる」と話している。

  実証実験は、濃度26ppmのヨウ素と20ppmのセシウムを溶かした水溶液を用いて、ゼオライトと粉にした竹炭について、ヨウ素とセシウムの吸着能力を比較する形で行った。その結果、竹炭はゼオライトの5倍以上のヨウ素を吸着した。一方、セシウムに関してもゼオライトの74%の吸着能力を持っていることが分かった。
  野浪教授らによると、福島第一原発内にある汚染水のセシウム濃度を約1200ベクレル/リットルとすると、25メートルプール一杯分の汚染水(約36万リットル)中のセシウムを竹炭約10キロで吸着できる計算になるという。

  中京大学では現在、豊田キャンパス内に竹炭を作る窯を設置、焼成条件により吸着特性に優れた竹炭の製法などの検討を進めている。その一方で、竹炭を粉末・ペースト状にして網や不織布に塗布した製品を、企業と開発中で、野浪教授らは「実用化のめどが立てば、福島県など被災地とも連携をとり、放射性物質の除去に貢献していきたい」としている。

  今回の研究は、人工知能高等研究所と社会科学研究所・体育研究所による共同プロジェクトとして行われた。研究の成果は、11月30日に神戸大学で開かれる「第37回 人間-生活環境系シンポジウム」でも発表される。

竹炭プロジェクト全体の流れ

 

(2013/11/25)

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