社会つながりプロジェクト

2020-11-26
依存症当事者の方との語らい(2)
11月26日のゼミでは、課題テキスト『下手くそやけどなんとか生きてるねん。』の著者である渡邊洋次郎さんにお越し頂き、当事者として、また、支援者という立場から依存症についてお話をして頂きました。そして、講義後半ではゼミ生からの質問という形で、各人対話をさせて頂きました。

 アルコール依存症の当事者である渡邊洋次郎さんと対話をさせて頂き、改めて当事者の方の声を直接見聞させて頂くということは、依存症への理解において必要不可欠な体験だと感じました。 当時を思い出す際の苦しそうな表情であったり、生々しい自傷の痕などを目の当たりにしたことで、本を通して渡邊さんが伝えようとした想いが可視化されたように思います。
 特に印象深かったお話は、ゼミ生からの感想で、依存症からのリカバリーは運次第のように感じたと言われた際の渡邊さんのお答えです。他国ではリカバリーの種が社会中に蒔かれているのに対し、日本ではまだその種を手に入れられる人が限られていて、まるで偶然や運に作用されているように感じてしまうけれど、実際は環境が生み出した差異なのだと、私はそう解釈しました。当事者のピアサポートの重要性、需要と供給が広まりつつある今、種蒔く土壌にも改革が求められているのだと思います。ご本人とお会いしなければ得られなかった感覚だと思うので、本当に貴重な体験をさせて頂いたと思います(野村)。

 今回のゼミでは、ゼミテキストに使われている『下手くそやけどなんとか生きてるねん。』の著者である渡邊洋次郎さんをお招きしてお話を聞きました。 やはり、テキストを読んでいるのと、実際にお話を聞くのでは違うなと感じました。 そして1番思ったことが、依存症当事者の方と聞いて少し怖い人かなと想像をしていました。しかし言われないと気づかないほどでした。お話を聞いたあと感想として伝えさせてもらいましたが、依存というのは大なり小なりみんな持っているものであって、依存症患者の方はそれが著しく、何かに頼らなければ生きていくことが困難であり、そして、その対象がたまたま薬物やアルコールであっただけなのだと感じることができるようになりました(古場)。


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