キャンパスベンチャーグランプリ中部で総合政策部・経営学部の2チームが特別賞と奨励賞
中部地区の23校・128チームがビジネスプランを競い合う

 中部地区の学生がビジネスプランを競う「第12回キャンパスベンチャーグランプリ中部」(日刊工業新聞社主催)の表彰式が1月30日に名古屋市内のホテルで開かれ、本学総合政策部、経営学部の2チームが特別賞(中部経済連合会会長賞)と奨励賞をそれぞれ受賞した。今回は23校・128件の応募の中から8件が表彰された。評価基準は、新規・独創性、事業・市場性、表現力など。

 立石裕審査委員長(産業技術総合研究所中部センター所長)は「地域振興や福祉関連の提案が目立ち、社会問題への意識の高さが伺われる」と講評した。

 

【特別賞(中部経済連合会会長賞)】

■プラン名:「STOCK CHAIR」―三日分の生活物資を収納可能な備蓄チェア
■メンバー:総合政策学部3年 西川怜実 安達依里 志治幸奈 牧絵梨香

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 私たちは、三日分の生活物資を収納可能な備蓄チェア「STOCK CHAIR」を提案しました。まず、このような案に至った背景として、2011年3月11日に起こった東日本大震災が挙げられます。この大震災が多くの帰宅困難者の発生や食料不足を引き起こしました。このことから、東京都を初めとした都市部では、企業に対して三日分の生活物資の備蓄を必要義務としています。

 しかし、中小企業では、スペースの確保の難しさや資金面の難しさからこの取り組みは遅れていることがわかりました。そこで、オフィスに欠かせない椅子の中に備蓄用品を収納することが出来ればこの問題を解決できると考え、本商品を提案しました。本商品は、椅子の下に防災用品ボックスを装着します。

 防災用品ボックスの中身を決めるにあたり、陸上自衛官の原口様と斎藤様にインタビュー調査を行い、「3日以内に救助が来る」、「オフィス内で社員一人に必要な物」ということを前提に中身を決定しました。現場で働いている方にお話を聞くことで、より必要最低限の備蓄用品に絞ることが出来ました。

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 私たちは、本商品を提案する上で最も苦労した点は、実現可能性です。OEM生産を主な事業内容とする企業へ製造委託しようと考え、8社の企業への電話調査を行いました。しかし、企業側からはロット数が満たせないことや技術面において我が社では製造できないといった、大変厳しい意見を多く頂き、ビジネスを形にするのは難しいと実感しました。実際に、企業の方とお話させて頂いた際には、「課題は多いが実現できる。こういった商品はもっと世の中に出回るべきだ」とおっしゃって頂き、とても嬉しく思いました。

 私たちは、今回このような賞を頂くことができ、本当に嬉しく思っています。上手くいくことばかりではありませんでした。多くの失敗をしたからこそ勉強になったことが、沢山あります。このような貴重な経験を忘れず、今後に生かしていきたいと考えています。

(総合政策学部3年 西川 怜実)

奨励賞】

■プラン名:スマホ用コーディネートアプリ「Auto Coordinator
■メンバー:経営学部3年 前田悠花 丹羽益美 荒木美咲

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 私たちは女子大生の朝のコーディネートの面倒くささを解消するスマートフォン向け無料アプリを提案しました。
 プランを考える際に世の中の面倒を「楽しい」に変えるものを作りたいと話し合い決めました。その中で私たち自身が感じていた「毎日のコーディネート」の面倒くささに着目しました。
 プランは女子大生のファッションに関する不満や面倒なことをアンケート調査し、グループインタビューを何度も行って、女子大生に 「欲しい」と思われるプランを作っていきました。よりビジネスプランに具体性を出すために、ファッションブランドショップに直接質問をし、改善点や感想をいただきました。
 プランを作っていく中で大変だったのは、50代以上の男性審査員に女子大生のファッションの悩みを伝えるために、プレゼンの見せ方、言い方を工夫した事でした。審査員の方々が私たちのプレゼンを聞いてどう思うのか想像するのが困難でした。

 たくさんの人の協力がなければこのプランは完成しませんでした。感謝とこの貴重な経験を忘れず、来年はキャンパスベンチャーグランプリで全国優勝を目指し、頑張ります。

(経営学部3年永石ゼミ 荒木 美咲)

 

2015/03/13

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