和所泰史さん(体育学修士2)の研究発表が優秀賞
日本体育学会第59回大会の学生研究コンペティション

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体育学研究科修士課程2年の和所泰史さんが、日本体育学会第59回大会(9月7~12日、早稲田大学)で、「1948年第14回オリンピックロンドン大会の日本不参加問題に関する当時の新聞・雑誌の検討」のテーマで研究発表を行い、学生研究コンペティション人文・社会科学系部門優秀賞に選ばれた。


◆和所泰史さん「優秀賞を受賞して」◆

この度は第59回日本体育学会学生コンペティションにおいて、優秀賞を受賞できたことを大変嬉しく思っています。今回この賞をいただけたのは、いつも熱心にご指導してくださる木村吉次先生(中京大学名誉教授)、來田享子先生(体育学部教授)のおかげです。その為、こういった形で少しでも恩返しできて感慨無量です。この2年間で数多くの資料を収集し、分析を行ってきました。どんな状況にあろうとも挫けなかったのは、大学生学部生時代の経験があったからだと 思います。1年生の時には、体育会ハンドボール部に所属し、小山哲央先生指導の下、何度も地の底を這いまわるような思いで練習を積み重ねてきました。2年生までは文学部国文学科に所属しており、部活、寮は豊田、勉強は八事という生活を送っていました。その頃に培った精神が、今回の賞に結びついたのだと感じ ています。
この学生コンペティションは、参加者のほとんどが博士課程在学中の大学院生で、発表前から大きな不安がありました。発表時もなかなか落ち着くことができず、目の前にある課題を目一杯こなしたという感じでした。今回のコンペティションで発表した研究は「1948年第14回オリンピック・ロンドン大会の日本不参加問題に関する当時の新聞・雑誌の検討」です。このオリンピック大会は第二次世界大戦が終戦した3年後に行われた大会ですが、第二次世界大戦の敗戦国である日本、ドイツは参加を許されませんでした。しかし、同じ敗戦国のイタリアは参加を許されたのです。この矛盾の理由を解明することが私の修士論文の研究テーマです。この大会から今年でちょうど60年が過ぎましたが、日本にはこの大会に焦点をあてた研究がほとんどみられません。今回発表した研究は、日本が参加国から除外された歴史的事実に関する報道について、当時の国内新聞6紙、国内雑誌21誌から分析したものであり、修士論文を構成する一部になる予定です。
15分間の発表と5分の質疑応答が終わった時、初めて冷静になることができ、他の方の発表をようやく集中してみることができました。最終選考に残った10題の研究発表の後、若手研究者向けの講演があり、懇親会の最後に表彰式が開催されました。表彰式で自分の名前が呼ばれた時は、思わずガッツポーズをしてしまい、このような結果を残せたことに対する満足感がありました。しかし、しばらく経つと、最優秀賞を受賞できなかったことへの悔しさも込み上げてきました。最優秀賞を受賞した方は博士課程の3年生で、発表、質疑応答を見ていると、研究に対する熱意が感じられるとともに、論証や発表技術など総合的に経験が蓄積されている感がありました。
今回コンペティションに応募したことをきっかけに、研究上の新たな課題も見つかり、研究への思いがますます熱くなりました。本当に貴重で幸せな体験がで きたと思っています。幸いにも、研究を継続することによって、学生コンペティションに参加するチャンスが私にはあります。今後も、より緻密でオリジナリ ティの高い研究成果が出せるよう努力を続け、このような機会に再び恵まれたときに、その努力が今回のような結果に結びつけばすばらしいと考えています。

(体育学研究科修士課程2年・和所 泰史)

2008/09/29

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