総合政策学部坂田隆文ゼミ/名古屋市に有松地区の魅力を高める企画を提案

 総合政策学部・坂田隆文教授ゼミは3月22日、キャッスルプラザで名古屋市観光文化交流局観光交流部観光推進室(以下、名古屋市)に対する提案発表会を行った。名古屋市の有松地区の魅力を高めることを目的に学生たちは約半年かけてアイデアを練り上げ、完成させた企画を提案した。

 発表会には名古屋市職員3人が出席し、4つのチームの提案を聞いた。冒頭、名古屋市の方から「産業のまち名古屋ですら人口減少に対応して観光に傾注する必要がある。自動車部品、電子部品に次ぐ産業である観光を今後伸ばしていくためにも、今回の提案を楽しみにしています」という挨拶があった。発表後には「これ、使わせてもらっていい?」、「すごく良い提案ですぐにでもやってみたいと思います」、「地に足のついた現実的な提案だった」といった高評価のものから、「この手の話は誰でも考える」、「学生の皆さんは『ホンモノ』が分かっていないなと感じた」といった意見まで、多様な評価をいただいた。

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報告する坂田ゼミ生

 ■ 商品提案で得た学び

 私はこの提案活動で学んだことが二つあります。一つ目は考え続けることの大切さです。自信を持って提案するために何度も考え、修正しました。その結果、自分の納得のいくものを提案することができました。考え続けることの大切さを実感したと共に、達成感を得ることができました。

 二つ目はプレゼンテーションの難しさです。この提案活動を通して「相手が分かってくれるだろう」という甘い考えを持っていることに気付きました。今後は「伝えるのではなく伝わるプレゼンテーションをすることが重要」という坂田先生のお言葉を念頭に置いて活動に取り組んでいきます。

 私は今回の経験で多くの学びを得ることができました。この学びを忘れず今後のゼミ活動に活かしていきます。

総合政策学部 加藤彩奈

 ■ 初めての活動での思い

 有松観光魅力向上事業は私が初めて参加したゼミ活動でした。最初に出された課題は、有松を活性化させるための商品について100案考えることでした。私なりに100案を絞り出しましたが、チームで案を共有した際には私が全く思いつかなかったような面白い案があり、自分の発想力の乏しさ、案の無難さを痛感しました。それによって自信がなくなり、話し合いで自分の意見を主張できないときもありました。

 しかし商品提案ができる機会をもらえたことは貴重な経験だと感じ、まず自分の考えを伝えることで活動に貢献しようと思い直すことができました。最終発表では提案した商品の課題を指摘いただく場面もありましたが、自分たちの考えたプレゼンテーションの一部は好評をいただき嬉しく思いました。

 今後も自分がどのようにゼミ活動に貢献できるか考え、努力していきます。そして最後に喜びを感じられるような活動をしていきたいです。

総合政策学部 加藤真彩

 ■ 提案相手のことを考える

 今回の活動を振り返ると、地元の方々の思いや実情、歴史や伝統など提案相手を深く知り、相手の立場になって考えることが出来ていなかったと痛感しました。

 企画発表の際、名古屋市の方からの「地元の方々のどのような思いをくみ取りましたか」という質問に対して明確な返答が出来ず、有松絞りに関する詳しい知識がない私たちに「本物を知ってください」という指摘をいただきました。そこで「こういうものがあったら有松を知りたくなる、有松に行きたくなる」ということを地元の方々の視点に立って考えることが少なかったことに気づきました。

 この視点を考慮できていない企画は、「一方的な企画を突き付けられている」という印象を与えてしまうため、多様な視点から提案内容を見つめ直すべきでした。そうすることで、多様な視点から浮き出てきた問題点を一つずつ解決でき、様々な人の立場を考えたより質の高い提案をすることが出来たと思います。

 自身の気持ちやターゲットの視点に偏らず、多様な視点をもって提案相手のことを深く考えて企画することが重要であると今回のプロジェクトで学びました。自身が持つ視点の少なさを深く反省し、決して忘れません。

総合政策学部 智内雄飛

 ■ 本物を知る

 今回の活動は有松絞りを使い、有松地区の観光魅力向上を目的とするものです。私はこの活動を通して、「本物を知る」ことの大切さを学びました。

 私はこの活動を始めるまで有松絞りに触れたことがなく、ゼロからのスタートでした。有松へ視察に行った際、手ぬぐいを染めることを体験しましたが、私はその一度で有松絞りを知った気になっていました。

 今回発表した際に、名古屋市の方から「有松絞りの勉強が足りていない」とご指摘いただきました。実際、有松絞りには400年以上の歴史があり、100以上の技法や種類があります。私たちが触れて感じられたものはそのほんの一部であり、企画提案をするにあたって非常に知識が乏しかったと感じました。また「本物を知る」ということは、その地域に住む方々や職人さんの気持ちを汲み取ることにも繋がります。本物を知らずして、そのものを語ることは出来ないと感じました。

 今後は課題についてよく調べて知識をつけ「本物を知る」ことを大切に、ゼミ活動を進めていきたいと思います。

総合政策学部 林奈菜

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秋に行われた有松視察会

 【関連サイト】

 ※ 坂田隆文ゼミHP(http://www.sakataseminar.jp/)

 ※ 愛知県名古屋市HP(http://www.city.nagoya.jp/)

2019/03/28

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