総合政策学部坂田隆文ゼミと三重県・四日市南高校、津西高校の合同チームが井村屋株式会社へ新商品を提案
2017年10月にスタートした、井村屋株式会社、高等学校、中京大学坂田研究室(総合政策学部・坂田隆文教授)の3者で進める産高大連携講義の「提案発表会」が中京大学名古屋キャンパス清明ホールで2月18日に行われた。
高大連携教育の一環として井村屋の協力で、三重県立四日市南高校生徒・三重県立津西高校生徒と坂田研究室の学生が共同で商品企画提案を行う発表会で、今回で2回目。高校生と大学生がチームを組んで企業に対して提案を行うという稀有な試みであるため、岐阜県の高校生や近隣の高校教員合わせて約100人が提案発表を熱心に見学した。
今回のテーマは「新しいアイスクリーム」。四日市南高校の生徒と坂田研究室の学生による6チームと、津西高校の生徒と坂田研究室の学生による4チームが井村屋の中道裕久専務取締役マーケティング本部長に対して提案した。
冒頭、坂田教授が趣旨説明を行い、「高校生・大学生は緊張してしまい説明不足になってしまうかもしれませんが、この場は学びの場であり、学びの最先端の場です。この場に立てることを誇りに思って発表を頑張ってください」とあいさつした。
新しい着眼点で発表した10チームの企画
四日市南高校・坂田研究室Aチーム・・・
抹茶と豆乳のアイスを小麦胚芽ビスケットでサンドした体も喜ぶ「そいちゃ」アイス
四日市南高校・坂田研究室Bチーム・・・
抹茶味のアイスと白玉団子がカップ状の容器に入れ、食べる前に少し溶かすフラッペのような「もちっぺ」アイス
四日市南高校・坂田研究室Cチーム・・・
栗ペーストを雪塩を使った塩バニラアイスでサンドした「もっちり栗塩バニラ」アイス
四日市南高校・坂田研究室Dチーム・・・
抹茶の濃さを3段階の層に分けて味の変化を楽しむ「抹茶三兄弟」アイス
四日市南高校・坂田研究室Eチーム・・・
野菜不足の学生をターケットに井村屋の「ゆず蜜」を加えた「スムージーアイス」
四日市南高校・坂田研究室Fチーム・・・
OLさんをターゲットに井村屋の「ゆず蜜」のアイスをクリームチーズアイスで包んだ「ゆず蜜バー」アイス
津西高校・坂田研究室Aチーム・・・
20代男性をターゲットに抹茶・プレーン・小豆の3種類のアイスを一口サイズの最中に入れた「パクッとモナカ」アイス
津西高校・坂田研究室Bチーム・・・
シニア世代をターゲットにお餅×こしあん×コーヒーの和洋折衷のアイス「あんこーひー」
津西高校・坂田研究室Cチーム・・・
小豆と地元名産伊勢茶を使ったトルコ風アイスで地域活性化を目指した「伊勢茶トルコアイス」
津西高校・坂田研究室Dチーム・・・
20代女性をターゲットに美容と健康を意識して甘酒を使ったアイスをバナナアイスでサンドした「甘酒バナナあいす」
中道専務は各チームに対し、発想の面白さや着眼点のユニークさを褒めたたえ、競合商品との差別化や説得力のあるデータを用いたプレゼン方法などアドバイスした。最後に「着眼点、論理性、他との差別化、アイデア」が特に優れた四日市南高校・坂田研究室Dチームの「抹茶三兄弟」アイスを優秀グループとして表彰した。
坂田教授は「今日の経験はこれからの学生生活の役に立ててほしい。そして、今日できなかったことを次回成功するための糧にしてほしい。これからもっと成長するためにこの活動を活かしてほしいです」とアドバイスした。
【産高大連携講義を終えて(高校生の感想)】
■産高大連携講義を受けて、作業をしていくうちに自分が少しずつ大きくなるのが感じられました。この経験は本当に自分のためになりました。約半年間、ありがとうございました。
■この活動を通して、チームワークの大切さや自分の至らなさを知ることができました。
■高校では経験できないことを経験させてもらい、進路についても考えることができましたし、早く大学生になりたいと思いました。高校生のうちに坂田先生の講義を受けることができて、充実した半年間になりました。また大学でこの分野についてもっと深く学びたいと思いました。
■約半年間、社会に出たときに大切なことを教えてくださりありがとうございました。今までの自分なら嫌なことがあると途中で投げ出してしまっていましたが、この産高大連携講義を通して、最後まで続ける大切さや、やり切った後の達成感に気付くことができました。
■坂田先生には本当に様々なことを教えていただきました。正直ここまで大変だとは初めは思っていませんでした。大変だったからこそ得られたものはとても大きいと思っています。
【産高大連携講義を終えて(大学生の感想)】
■困難を超えてとれた最優秀賞
普段大学生としか関わりがない中で、高校生と一緒のチームになって取り組むことはとても新鮮で、それと同時にとても大変なものでした。初めは、なかなかお互いの思いを上手く伝える事ができず上辺だけの話し合いになってしまったり、メールでのやりとりだと行き詰まったりすることも多く、どうすればいいか悩みました。しかし、「商品化にこだわりたい」という思いは全員同じで、その意思確認を行ったことで、だんだん深い議論を交わせるようになりました。
最終発表は、とても緊張して、上手く伝えきれなかったのではないかという不安もありましたが、最優秀賞をいただくことができ今は喜びの気持ちでいっぱいです。約4ヶ月間、大変なこともありましたが、最後まで頑張ってきてよかったと心の底から思います。講義が終わってしまったことはとても寂しいですが、この貴重な経験を活かし、これから更にレベルアップできるように頑張っていきます。
総合政策学部2年 菊谷栞里
■成長できた産高大連携講義
「産高大連携講義」は私にとって初めての挑戦でした。私は、取り組みを進める上で最も重要なことは、「高校生と大学生という普段直接会えない両者が、会えない時間にどれだけ案を深めることができるか」だと感じました。学校の授業とプロジェクトの両立をすることは高校生にとって容易ではなかったはずです。高校時代の私にそこまでできた自信はないので、本当によく頑張ってくれたと感じました。そして、このプロジェクトが始まった当初は「人前で話すことが苦手」「意見を言うことが苦手」などと言っていた高校生も、最終プレゼンの際には100人以上の前で堂々と発表しており、また、自分の意見をはっきりと発言する姿をみて嬉しく感じました。
普段関わることのない高校生と交流するという貴重な機会を与えてくださった井村屋中道専務や坂田先生に感謝しております。本当にありがとうございます。今回の経験を、就活や社会に出てから活かしていきたいと感じています。
総合政策学部3年 鈴木花歩
関連ホームページ