坂田隆文ゼミと附属中京高校との産高大連携講義 株式会社中日ドラゴンズへの「提案発表会」を開催

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商品提案のプレゼン

 今年1月にスタートした、株式会社中日ドラゴンズ(以下、中日ドラゴンズ)、中京大学附属中京高等学校(以下、附属高校)、中京大学総合政策学部・坂田隆文教授ゼミの3者で進める産高大連携講義の最終回「提案発表会」が3月17日、附属高校の多目的教室で行われた。この取り組みは、中日ドラゴンズのご協力のもと、高大連携教育の一環として附属高校の生徒と坂田隆文研究室の学生が共同で新商品の企画・立案を行い、講義最終回における発表の際に、中日ドラゴンズに対して新商品の提案を行うことを目的としている。3回に亘る講義と複数回のグループワークを通じて、附属高生と坂田ゼミ生の受講生14人が3つのチームに別れ、新商品の企画立案の作業を行ってきた。

 この日は、中日ドラゴンズ球団職員の方を招き、各チームがドアラを活用した思い思いの新たな商品の提案を行った。会場には受講生の他、一般の附属高生や保護者、また本学や附属高校の教職員が来場し、発表を見守った。

 各チームの発表後、提案のあった企画に関して球団職員の方から講評が行われた。若者ならではの提案の切り口に感心される一方、コストを考慮した価格設定や、商品開発の説得力を増すための調査データの充実、SNSを活用するといった若者層の取り込み方法等、日頃の商品企画を行う際の苦労や課題等を交えたより良い企画立案に関するアドバイスが述べられた。

 発表後、各チームにおいて良かった点、悪かった点について振り返りを行う時間が設けられ、最後には坂田教授から受講生(附属高生)に修了証が授与された。坂田教授からは、「進級・進学した後も、この約3ヶ月の短期間の取り組みを無駄にせず、何事にも手を抜かないよう意識して目標に向かって突き進んで欲しい」と、受講生を激励した。

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■ 「初めて」の経験

 今までチームで頑張って考えてきた案を、多くの方に伝えることに緊張と不安が入り混ざった気持ちでこの日を迎えました。

 多くの方を前にしての「初めて」の発表を終えて、終わったという安堵感と上手く伝えられなかったという悔しさが残りました。発表を通じて、緊張感を聞き手に伝えてしまうなど自分の足りていない部分が浮き彫りになったので、これからの課題として克服していきたいと思います。

 この産高大連携講義は、私とって「初めて」の経験が多くありました。中でも1番苦労したのが、自分より年下の高校生と取り組むことです。高校生と一緒に取り組むということは、先輩である私がリードしていかなければなりません。私は、チームを引っ張っていく先輩としての責任感が足りていないということに気付くことができました。

 「初めて」の経験だからこそ、学ぶことがたくさんあります。その学んだことを無駄にしないよう、しっかりと吸収して次に繋げていけるよう努力していきたいと思います。

(総合政策学部 岩本佳央理)

■ 商品開発の難しさ

 私は、産高大連携プロジェクトを通して、商品開発の難しさを感じました。さまざまな資料やデータを集めて現状を把握し、どんなものがあったらいいか考える。ここまでは割とスムーズに出来たにも関わらず、アイデアを深めていくにつれて、価格の問題や、現実的に売れるのか、といった現実的な問題がどんどんと浮き彫りになっていきました。考えてもピンとこなければ1から考え直さないといけないのがとても大変でした。売る立場に寄りすぎて、買い手の気持ちを忘れてしまい、なかなかいいアイデアが出ず妥協しそうになった事もありましたが、それに向き合っていかなければいけないと分かりました。

 また、プレゼンテーションは、伝える手段としてとても大切です。せっかく良いものを考えても伝わらなければ意味がないことを学びました。

 初めての商品開発。私が当たり前に使っているものは、企業の方が苦戦して、大変な思いで作っているということが分かった気がします。この先このような機会があったら、商品としっかりと向き合い、自分たちが納得できるものを考えていきたいです。

(総合政策学部 菊谷栞里)

■ 最終回での気づき

 今まで考えてきた商品のことを伝えたい、この商品をどう思ってもらえるのだろうという、楽しみな気持ち、考えを全て伝えることができるのか、たくさんの人の前できちんと話すことが出来るのかという、不安な気持ちがありました。

 チーム全体としては、ドアラを好きになってもらいたいという気持ちを伝えることができてよかったです。しかし、発表の後に、ターゲットをもっと絞ることで他のデータを入れることができ、もっと説得力や良い商品になったのではないかというコメントをいただきました。このことに話し合いの段階で、私たち自身で気づけなかったこと、周りの方に意見をもらわなかったことがチームでの反省点です。

 私は、自分の発表の仕方について、緊張や不安が勝ってしまい、単調な話し方になってしまったことが反省点だと気が付きました。今回、多くの経験を得て、自分自身の課題を発見することができました。このことを今後のゼミ活動に繋げて行きたいと思います。

(総合政策学部 尾﨑美憂)

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 *平成26年に文部科学省より公表された「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」答申以降、大学と高等学校をつなぐ高大連携事業の推進が求められているが、今回の取り組みは、その「高大」に「産業界」も交えるという点で全く新しい試みであり、従来の高大連携教育活動や産学連携教育活動に大きな一石を投じるものといえる。

 ※坂田隆文ゼミHP(http://www.sakataseminar.jp/)もご覧ください。

2017/03/23

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