総合政策学部坂田隆文ゼミ/井村屋株式会社、三重県立四日市南高校との「産高大連携講義」(第3回)を実施

 昨年12月にスタートした、井村屋株式会社、三重県立四日市南高等学校、総合政策学部・坂田隆文教授ゼミの3者で進める「産高大連携講義」の3回目となる授業が2月5日、四日市南高校で行われた。本講義は高大連携教育の一環として、井村屋のご協力のもと、四日市南高校の生徒と坂田隆文研究室の学生が共同で商品企画を行い、井村屋に提案発表を行うことを目的とした取り組みである。

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 平成26年に文部科学省より公表された「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」答申以降、大学と高等学校をつなぐ高大連携事業の推進が求められているが、今回の取り組みは、その「高大」に「産業界」も交えるという点で全く新しい試みであり、従来の高大連携教育活動や産学連携教育活動に大きな一石を投じるものといえる。

 この日の授業では、商品企画の提案先となる、井村屋の常務取締役にご参加いただき、今まで生徒や学生達が企画・検討してきた新商品に関する質疑等に応じていただいた。生徒や学生達は積極的に質疑応答に参加し、客観的な視点から自らの企画立案した新商品について振り返りを行った。ここでは、「形(見た目)だけのものになっていないか」「価格と商品価値のバランスを考慮しているか」「買う側の立場になって検討しているか」等といった商品企画段階で重要となるポイントや、同社が商品企画をする際に気を付けている留意点(例えば、他社が所有する製法特許に関する認識)等の話題を提供していただき、商品企画における企業の姿勢や認識、取り組みの一端に触れる貴重な機会となった。

 講義の終盤はグループワークを実施し、企画内容の見直しや精査、また次回の発表会に向けての具体的な調整を図った。ここでの示唆を得て、商品の企画内容を練り直すグループもあり、商品企画の難しさや厳しさを痛感している生徒や学生が多く見られた。

 次回(最終回、3月12日)は、本学名古屋キャンパス1号館「清明ホール」において、四日市南高校の生徒、本学坂田ゼミの学生による3つのグループが、井村屋株式会社に対して、自ら企画した新商品の提案発表を行う。

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高校生と坂田ゼミ生によるグループワーク

■ 似通うもの

 これまで沢山のプロジェクトに携わらせていただき、初めから自分たちの案がすんなり上手くということはありませんでした。今回も例外ではなく、高校生と共に何度もやりとりをして考えた案でも、企業の方からみれば考えきれていないことが山のようにありました。

企業の方に直接質問する機会を頂き印象に残った言葉は「実際の仕事は多くのことをクリアするため周りの方の協力をいかに得るかが一番」というものです。一つの商品を開発するのは、単にアイスの味やパッケージ等を考えるだけではなく、調達や品質管理、様々な仕事を担当する方々が関ってきます。それを上手くまとめ、協力を得ることが大切。これは自分たちが今、立場や思考が違う高校生と大学生が共にプロジェクトに取り組んでいる現状にとても似通っていると感じました。

仕事は個人個人で行うのではなくチームで行うもの、それには信頼と協力が必要であると、今回の質問の機会を頂き学ばせていただくことができました。このことを理解して、最終発表の場で魅力に思える商品を提案できるよう、残りの時間を有効活用していきたいです。

(総合政策学部3年 松岡采那)

■「なんとなく」は通用しない

今回の講座では、井村屋の方にお越しいただき、質問することができました。私たちのチームが提案した内容に関しては、「なぜこの形なのか?」、「どうしてこのターゲットなのか?」、「売れる根拠はどこにあるの?」というような「なんとなく決めた」では通用しない質問ばかりがされました。

四日市南高校の生徒たちは「理由をしっかり考えていなかった」ということが多く、頭を抱えている状況でした。しかし、実際に井村屋の方とお話をすることで、高校生のみんなもより一層やる気が湧き、提案の深掘りも意識しながら積極的に議論に参加するようになりました。来月の最終発表会まで時間はわずかですが、井村屋の方の驚かせられるような商品を提案したいと思います。

(総合政策学部3年 齊藤梨沙)

■ 圧倒されたレベルの高さ

 一番感じたことは企業の方の求めるレベルの高さです。私たちが議論して自信を持って提案したものでも企業の方から「こういうことも考えた?」という指摘や「以前すでに考えて失敗しているんだよ」などといったコメントをいただくこともありました。そこから自分たちが満足しているだけでは通用せず、実現性において考えるべきことがたくさんあることを感じました。

 また、高校生との意思疎通においてゼミで学んだことを活かせた場面もありました。よくゼミ活動では「自分はわかっているつもりでも、それをちゃんと伝えなければ相手にとっては何を考えているのかわからない」ということをご指摘いただくことがあります。そのご指摘が念頭にあったため、議論の際、何をしたいのか、どう考えたのかを常に伝えることを意識しました。高校生相手にそうすることによって私自身の成長も感じることができました。来月には最終プレゼンが控えているため、しっかりチームの思いがこもった提案を行っていきたいです。

(総合政策学部3年 大竹杏果)

 ※ゼミHP(http://www.sakataseminar.jp/)もご覧ください。

2017/02/14

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