総合政策学部坂田隆文ゼミ/井村屋株式会社、三重県立四日市南高校との「産高大連携講義」(第2回)を実施

 昨年12月にスタートした、井村屋株式会社、三重県立四日市南高等学校、総合政策学部・坂田隆文教授ゼミの3者で進める「産高大連携講義」の2回目の授業が1月22日、四日市南高校で行われた。本講義は高大連携教育の一環として、井村屋株式会社のご協力のもと、四日市南高校の生徒と坂田隆文研究室の学生が共同で商品企画を行い、井村屋に提案発表を行うことを目的とした取り組みである。

 平成26年に文部科学省より公表された「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」答申以降、大学と高等学校をつなぐ高大連携事業の推進が求められているが、今回の取り組みは、その「高大」に「産業界」も交えるという点で全く新しい試みであり、従来の高大連携教育活動や産学連携教育活動に大きな一石を投じるものといえる。

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坂田教授からアドバイスを受ける学生ら

 この日の授業では、坂田教授による「社会で求められる能力」に関する講義が行われたあと、四日市南高校の生徒15人を3つのグループに分け、前回の授業で提示された課題(1人100個の新商品のアイデア創出)を材料にグループワークを行った。各グループに坂田ゼミ生を交え、グループワークの進行等をサポートした。限られた時間の中で提案する商品の絞り込みの作業を進め、最後に次回の授業までに具体化する項目(形、大きさ、色、販路等)の意見出しを行い、受講者全体で共有を図った。

 次回の授業では、グループごとに提案する新商品の企画内容を明確化したうえで、3月に本学で行う提案発表を行うための資料作りを行う。

〔今後の予定〕

 第3回 : 2017年2月 5日(会場:四日市南高校)

 最終回 : 2017年3月12日(会場:中京大学「清明ホール」)

■ 高校生から吸収できたこと

 今回参加させていただいた中で大学生も高校生も変わらないと思ったことが1つあります。それはそれぞれ100案持ち寄り、チームで700案以上の案について議論する中で、それぞれの案に対する思い入れを感じたことです。議論していく中でチームの様子を見ながらどうみんなに納得してもらうかということを考えている高校生ばかりでした。そのような思い入れから議論も白熱し、これからがさらに楽しみに感じました。

 さらに高校生らしさも感じ、「案出しをイラストで描き本当に作って実験してみた」という高校生もいました。私は普段のゼミ活動で「良い案を期限までにたくさん考える」という概念にとらわれすぎており、そのような純粋に楽しもうとする心を忘れてしまっていたと反省しました。このような機会は周りの方々のおかげであるため、感謝の気持ちと楽しむ気持ちを忘れず取り組んでいきたいです。

 チームの全員が納得する1案を決めることに大変苦労しましたが、無事に決まったため、今後はスピード感を意識してターゲットやコンセプトなどについて具体的に考えていきたいです。

(3年 大竹杏果)

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高校生と坂田ゼミ生が一緒に行ったグループワーク

■ 高校生から受けた刺激

 私のなかの高校生のイメージは、試験勉強のように言われた範囲のことをきっちりとこなすというものでした。しかし、今回チームで話し合いをするなかでそんなイメージが壊される場面がいくつもありました。議論がしやすいよう、チーム全員の名前を付箋に書いて名札をつくる。意見が固まりつつあった時に、皆が目を向けていなかった案を深掘りして意見を言うなど、高校生は議論をしていく上で自ら動いていました。有り触れた工夫と捉えられるかもしれませんが、こうした活動を行うのが初めてであるのにも関わらずチームに働きかけられるというのは、すごいことだと感心させられました。私もゼミ活動を行う上で、チームに貢献するのだという気持ちを改めて意識しなければならないと思いました。

 高校生に負けず大学生としてメンバーそれぞれの良いところを生かしつつ、チームを支えていきたいです。

(3年 松岡采那)

■新たな挑戦

 これまでにゼミ活動の一環で産学連携を通して商品企画をする機会には何度か参加してきましたが、「産高大連携」という企業と高校生との商品企画は初めてです。今回の取り組みで苦労したことは、チームメンバーである高校生が自ら意見を言おうとせず、議論が進まないことでした。高校生も「産高大連携」は初めての取り組みであり、緊張しているのだなと感じました。そこで、高校生が意見を言いやすいように、自分から話をすることが苦手な高校生に話を振ることや、「この意見に賛成の人?」などの質問をし、手を挙げてもらうことで、言葉でなくても意見を引き出せるように努めました。

 「産高大連携」の取り組みは、残り2回しかありませんが、高校生の方たちに「参加してよかった」と思ってもらえるよう、悔いが残らないように頑張ります。

(3年 齊藤梨沙)

※ゼミHP(http://www.sakataseminar.jp/)もご覧下さい。

2017/01/26

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