社会つながりプロジェクト

2017-08-10
研修第2日目@Johannesburg
この日はWitsの愛称で親しまれているウィットウォーターズランド大学(Witwatersrand University)の所有する美術館、Wits Art Museumの企画展及び常設展の観覧、収蔵庫見学、また同大学の人類学博物館であるOrigin Center Museumの見学がメインでした。

Wits Art Museumは大通りに面していて、一般の人たちにとってもアクセス抜群な立地にあります。アート・ミュージアム、美術館と名乗っていますが、アフリカで生み出されたアートが収集対象のため、仮面、彫像、衣装、装身具といったいわゆる「博物館」的な民族資料もあれば、現代作家の油絵、彫刻、インスタレーションといったコンテンポラリー・アートもあるという、斬新なミュージアムです。この時は、「アンディー・ウォーホル」展が企画展として開催されていました。南アフリカのアートシーンを牽引する美術館で、館全体に“アートとは何か、そしてそれを誰が決めるのか”という問いが散りばめられていました。

この美術館は“政治的なものと教育機関であるミュージアムがどうやって関わっていくべきか”という点において日本のミュージアムとは少し異なる考え方を持っています。日本ではミュージアムは政治的なメッセージを前面に出した展示を行うことは少なく、むしろそういったものを避ける傾向にあると感じます。それに対しWits Art Museumは“公に開かれた教育機関であるミュージアムこそ、政治的なものと積極的に関わることが大切”という姿勢です。アパルトヘイトという暗い歴史を持つ南アフリカだからこそこういった考え方が生まれ、支持されているのではないでしょうか。

午後からはキュレーターのジュリアさんと一緒に、収蔵庫を見学しました。元々ガソリンスタンドであった建物を利用しているため収蔵庫内は段差が多く、入り組んでおり、収蔵庫には向かないのでは…?と思ってしまいます。段差が多くて展示品に注意を払わなければならないのは事実ですが、建物の外壁と内壁との間には空間があり魔法瓶のような機能を果たしていて、収蔵品を温度変化などによる劣化から守ることができているそうです。

Origin Center Museumは“Origin=起源”の名前の通り、アフリカを中心とした人類の起源と歴史に関する人類学の博物館です。ここでは亀井先生の解説を聞きながらの見学でした。

展示の前半は石器や地層、頭骨レプリカなど考古学的、後半は様々な民族の文化とそれに関わる道具の展示や儀礼や祭祀といった霊的な世界とのつながりを表現する映像作品など、私たち文化人類学を専攻する学生にとって馴染みのある展示が多かったように思います。

この博物館のメインは先住民族サンの織った巨大なタペストリーです。天井の高い展示室に吊り下げられたタペストリーにはサンの持つ自然観や生死観が独特な色や形で織り込まれており、その壮大さに圧倒されました。

タペストリーの他にも、旧石器時代の石器や、スタルクフォンテン洞窟で発掘された人類の母ミセスプレスの頭骨レプリカ、洞窟に描かれた白人との戦争の様子や動物の絵、またそこで使われた顔料や道具、そしてそれらの道具の作り方など、どれも興味深い展示ばかりでした。【SK】