今回、私が担当させていただいた利用者Aさんは、ほとんどのことは自分でできる方であったため、見守りという形が基本でした。主に介助が必要だったのは、入浴時や衣服の着脱といったものだけでした。私は主に介助に入るということはありませんでしたが、担当のヘルパーさんの姿を見たり、利用者さんとコミュニケ―ションをとったりすることで、この地域生活体験モデル事業の必要性をとても感じることができました。
この事業を利用される障害者の方々は、ほとんどが施設や家族の中で暮らしており、「一人暮らし」というものを経験したことがありません。Aさんもそのうちの1人でした。Aさんは、「昔から集団生活が主だったこともあり、一度一人暮らしをしてみたい」という思いがあり、この事業を利用することにしたそうでした。Aさんは、2泊3日の体験利用の中で、初めて図書館にいったり、お寿司を食べに行ったり、コンビニを利用したりと施設ではできなかったことをたくさんできたと話されていました。私が入った3日目には、昼食がコンビニだったのですが、私のおすすめしたグラタンを選んで下さったのはとても嬉しかったです。
施設や家族の中で暮らしている障害者の方々がこの事業を利用することで、外出したり、外食をしたり、時間を自由に使ったりと、初めての体験をたくさんできるということがわかりました。また、その体験から「果たして一人暮らしとはどういうものなのか」「実際一人暮らしをするとなったら何が必要なのか」など、生活のイメージをすることができると思います。そういった点から、この地域生活体験モデル事業は、障害者の方々にとってとても意味のある事業であると感じました。また、私自身、今まで障害者の方と関わる機会がなかったため、今回関わることができ、障害者とのコミュニケーションを学べる貴重な体験でした。(高橋)
障害のある・なし関係なく、地域で共に生きることを実感するプロジェクトです