経営学部中村雅章ゼミ/老舗和菓子店と商品開発 ドリンクメニュー「つぶあんミルク」「和三盆の柚子紅茶」と和プリン「甘酒和葛」

 私たち経営学部中村雅章教授ゼミ3年生は、名古屋市中区の老舗和菓子店、不老園正光と共同で、ドリンクメニュー2種類と和プリン1種類の商品開発を行いました。

 今回のプロジェクトは、和菓子の消費量が年々落ち、若者の和菓子離れが目立つ中で、伝統の味を残しつつ、興味を引くような商品を作りたいと思ったのがはじまりでした。お店を切り盛りする女性和菓子職人の視点と私たち学生ならでは視点を組み合わせ、様々な角度からみて新しい商品を創造することを目的としました。

 まず取り組んだのはドリンクメニューの開発です。不老園正光は、店舗を改装しカフェスペースを導入しています。そちらで提供されていたのが和菓子に合うお抹茶とコーヒーでした。店舗ではお子様連れのお客様から年配の方までカフェスペースを利用されています。そこで、幅広い年齢層の方が楽しめる和菓子に合うドリンクメニューを私たちから提案させていただきました。

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          ドリンクメニューのPOP

 ジュース、お茶、紅茶、コーヒーなどから100種類以上のアイデアを提案し、その中からいくつか実現可能な案を抜粋していきました。その後、私たちも試作に立ち会い、分量や材料を何パターンも試し、そこから一番美味しい飲み方が生まれ、商品が決定しました。自家製の粒あんを用いた「つぶあんミルク」と、こだわりの和三盆を用いた「和三盆の柚子紅茶」です。オリジナルメニュー表やPOPも作成し、2017年1月中旬から店舗での販売をスタート、お客様から好評をいただいています。

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    甘酒和葛

 次に開発したのが、お店の看板メニューである和プリン「和葛(やわくず)」の新商品です。こちらも試食をしながら細かい材料の配分や比率などを調整していき、新商品は「甘酒和葛」に決定しました。試作で甘酒の種類を変えるとうまく固まらなかったことがあり、無事に商品化されて東別院の手づくり朝市で販売し、完売できたときには感慨深く感じました。たくさんのお客様とふれあうことができ、実際に販売する難しさやお客様に商品を手にとってもらえる喜びなど、様々な経験を積むことができました。

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       東別院手づくり朝市での販売

 今回、商品開発をしていくうえで大切だと思ったことは、「様々な角度・視点で物事を捉え、分析する」ということです。客層やニーズなどの顧客の視点、お店の雰囲気・コンセプト・こだわりなどの不老園正光の視点、店の設備や人員、食材の調達などの各制約条件など、ひとつの視点をクリアしただけでは新商品は作れず、全てをクリアしないと新商品を決定することはできません。そのため、個人でアイデアを考え、集約し、人の意見に付け加えるなどして、何度も話し合いをしました。そしてグループで多くの意見を出し合いました。この過程が商品開発をするうえで一番大切で難しいと感じました。頭で考えるだけでなく、自ら様々な場所に足を運んで、多くの人と話す。そうすることで独創的なアイデアを考えるきっかけになると思いました。

 今後は夏に向けて和葛を用いた「かき氷」の新商品開発を行う予定です。不老園正光のカフェスペースにぜひお越しください。

(経営学部中村ゼミ3年 伊藤朱里 伊藤雄亮 杉下正樹 谷川咲月 布谷治香 村手克優)

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          不老園正光店内にて

2017/04/19

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