人工知能技術に関する論文が「DIA2016」研究奨励賞
工学部橋本研究室3年の飯塚正樹さん、4年の奥川絢太さん

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(左から)飯塚さん、橋本教授、奥川さん

 2016年3月7日に、工学部3年飯塚正樹さん、情報理工学部4年奥川絢太さん、(いずれも橋本研究室所属、指導教員:橋本学教授)の2人が、それぞれ研究奨励賞を受賞しました。同賞は、2016年3月7~8日に岩手大学で開催された動的画像処理実利用ワークショップ2016における研究発表のなかから、特に優れた研究論文に対して贈られるものです。今年度は日本全国から応募された68件の研究の中から、専門家による厳正な審査を経て、4編の論文が選ばれました。

 

●発表タイトル「日用品認識のためのアフォーダンス特徴量の提案~物体が有する機能に着目したカテゴリレベル物体認識~」

 本論文では、身近にある日用品に着目した物体認識手法を提案しました。生活支援ロボットの普及が期待される中で、このような技術は不可欠です。橋本先生ならびに先輩方のご協力を得てすばらしい賞をいただくことができ、とてもモチベーションが高まりました。これからも、より完成度の高い技術開発を目指して研究に励みたいと思います。

(工学部3年 飯塚 正樹)

●発表タイトル「空間Manifold形状の最適化に基づく高速な回転対応マッチング法の提案」

 本論文では、パターン照合の基本技術であるテンプレートマッチングを回転した対象物に適用する時のボトルネックである高速化技術に取り組みました。今回、私が提案した技術は、回転対応テンプレートマッチングを、Manifold(マニフォールド:多様体)という斬新な表現方法を利用することによって、高速化するというものです。このような賞をいただけたのは、橋本先生や先輩方のご指導のおかげであり、とてもうれしいです。

(情報理工学部4年 奥川 絢太)

 

●指導教員の橋本学教授のコメント

今回受賞した2つの論文は、どちらも物体認識という最先端の人工知能技術に関するものです。飯塚君の研究は、「一般物体認識」と呼ばれる世界的にもまだ完成していない難度の高い技術であり、まだまだ課題は山積みですが、新手法を世の中に問うことができた点が評価されたものと思います。また奥川君の研究は、テンプレートマッチングという歴史の長い技術を、超多次元空間内での距離計算という概念を用いて課題を再設定することによって、斬新な解き方を提案した点が受け入れられたものと思われます。

 いずれの技術もまだ粗削りではありますが、若手による独創的で有用性の高いアイデアが、審査員の高評価を得たことは喜ばしいです。今後も引き続き研究に邁進してもらいたいと期待します。

2016/03/17

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