法学部古川ゼミ生らが沖縄本島と石垣島でヒアリング調査
国境問題取り巻く環境や課題について考える

 私たち法学部古川ゼミでは、春学期に沖縄県八重山地方を含め、根室、対馬に存在する国境問題について学習しました。学んだ内容を踏まえ、8月29日から9日間の日程で沖縄本島及び石垣島でヒアリング調査を行いました。この調査には古川ゼミ2回生6人、3回生5人(他に総合政策学部佐道ゼミ、羅ゼミ、宮内ゼミ多数)が参加しました。この調査の結果、以前私が考えていた以上に沖縄県を取り巻く環境が変化していました。

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 多数の方から注目されている在沖縄米軍基地の問題について、私が住んでいる名古屋市周辺には米軍基地はないので、実際に沖縄に行かないと分からない点も多かったです。今回の現地調査では天候の影響や曜日の関係か、米軍の騒音はありませんでした。しかし、琉球新報や沖縄県庁などでヒアリング調査では、在沖米軍基地について反対の意見が数多く聞かれました。その中でも特に気になったのはサザンヴィレッジオーナーの屋良朝博さんのお話です。屋良さんは元沖縄タイムスの記者でもあり「沖縄から基地はなくならない、この国に民主主義はない」と話していました。

 第11管区海上保安本部石垣海上保安部、及び石垣航空基地では尖閣諸島沖での活動についてお話を伺いました。石垣海上保安部次長の遠山良和さんのお話から、中国公船から領海を守るために海上保安官の皆さんが24時間体制で警戒を行っているなど、2009年の尖閣諸島国有化から続く中国の脅威においてたくさんの苦労をしていることを、改めて知ることができました。

 私がここで気になったことは八重山諸島におけるヘリコプター緊急搬送についてです。現在石垣航空基地にはそれぞれ2機のヘリコプターと固定翼機が配備されており県知事の要請により出動しています。これは沖縄県の県域が広大で海に囲まれているという特性上海上保安庁と自衛隊が共同で行っている事なのですが、肝心の沖縄県が防災ヘリを1機も所有していないことに驚きました。もちろんさまざまな問題点や意見があり所有できないのでしょうが、私は沖縄県が離島という特性上を考えて必要なのではないかと考えました。

 今回の沖縄合宿では他にも在沖米国総領事館や沖縄戦に関する様々な施設を見学しましたし、沖縄国際大学との合同ゼミによって自分の知見がさらに深くなりました。この経験を生かし、これからの学習に繋げられるように努力していきたいです。

(法学部2年 山田将士)

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2015/10/08

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