情報科学研究科修士課程2年の櫻本泰憲さんと永瀬誠信さん
IEEE名古屋支部学生奨励賞をダブル受賞

20150120-1-1.jpg
櫻本さん(左)と永瀬さん

 2015年1月20日に情報科学研究科修士課程2年の櫻本泰憲さんと永瀬誠信さん(橋本研究室、指導教員:橋本学教授)が、IEEE(米国電気学会)名古屋支部学生奨励賞をそれぞれ受賞しました。同賞は2014年9月8、9日に中京大学名古屋キャンパスで開催された「平成26年度電気・電子・情報関係学会東海支部連合大会」において、特に優れた研究発表に対して贈られるものです。

 櫻本さんは低テクスチャ物体を高信頼に認識する技術、永瀬さんはばら積みされた対象物を高速かつ高信頼に認識する技術を開発しました。両技術ともに工場の生産ラインの自動化に関するものであり、ものづくりを革新する研究成果です。

 また、前者は共同研究先でもある三菱電機株式会社との共同発表であり、大学の枠組みを超えた連携研究の成果であることも高く評価されました。


受賞タイトル「マルチフラッシュカメラを用いたバイナリ勾配特徴量マッチング
 この技術は企業の方と共同で開発した技術であり、工場などで扱われている工業部品を高信頼に認識する技術です。本研究では、マルチフラッシュカメラという特殊な撮影装置を用いて、物体のわずかな起伏などの形状を的確にとらえることに成功し、これまで困難とされてきた模様のない物体にも適用できる人工視覚を実現しました。

 提案した技術の開発には苦労しましたが、橋本先生のご指導や共同研究先企業の方のご意見などを踏まえた試行錯誤の結果、ようやく今回の成果が得られました.多くの方々に認めていただけて、たいへん嬉しいです。

(情報科学研究科修士課程2年 櫻本 泰憲)

■受賞タイトル「CCDoN特徴量を用いた高速・高信頼3次元物体認識」
 
私が開発した技術は、ばら積みされた対象物の位置姿勢を高速かつ高信頼に認識する技術であり、生産ラインの自動化につながる重要な技術となっています。本研究では、ばら積み部品認識に焦点をあてた新たな特徴量を提案し、認識成功率、処理時間ともに実用的な性能を達成しました。

 学生生活最後の国内発表の研究成果が専門家の先生方に認められ、非常に嬉しく思っております。この経験を就職後のエンジニアとしての業務に活かしていきたいと思います。

(情報科学研究科修士課程2年 永瀬 誠信)

●指導教員の橋本学教授のコメント
 
今回、修士2年生の二人が受賞した技術は、偶然にも高度な生産システムを実現するためのロボット視覚に関するものです。アイデアの斬新さだけでなく、実際の現場で使える性能を実現していることを実証するためには、単に人工知能プログラムを開発するだけではなく、多くの実験を繰り返し、性能改善を続ける地道さが必要です。修士研究という機会の中で、そのような努力のたいへんさを実感できたことは、来春、社会に巣立つ二人にとって得がたい経験になったことと思い、うれしく思っています。

 また、IEEEという世界レベルの学会に関わる受賞であったことも、今後の彼らの国際的な活躍を示唆するものとして、また本学大学院の研究レベルの高さを証明するものとして、指導教員として頼もしく思っています。

2015/01/29

  • 記事を共有