法実践プログラム(LPP)

法実践講義Ⅱ(IR実践論A)

この授業では、最初に、国際関係論(International Relations:IR)の主要課題である日本の人権外交、多文化共生及び難民支援に関する基礎知識を学んだ後に、国家公務員・地方公務員・NGO職員・弁護士などとして、実際に日本の人権外交、多文化共生及び難民支援を実践している講師がそれぞれの関係する分野の現状と課題に関する講義を行い、授業内容に関する理解を深めさせました。(なお、講師のご所属は授業当時のものです。)

「外国人に関する行政の法制度と実務」「出入国管理行政の制度と実践」

4月21日(14:55~16:25・16:40~18:10)

法務省大阪法務局(元大阪入国管理局)の大西広之さんに、前半は外国人に関する行政の法制度に対する理解を深めるために、国籍・パスポートに関する基本事項をご説明いただいた上で、出入国管理の組織・機構、入国審査官の行う審査、近時の出入国管理業務の施策についてお話しいただきました。 また、後半は、日本の出入国管理行政制度に対する理解を深めるために、外国人受入れの基本方針、在留資格制度及び在留資格一覧について、実践例を交えながらお話しいただきました。


「アムネスティ・インターナショナル日本」

4月28日(14:55~16:25)

アムネスティ・インターナショナルの活動に対する理解を深めるために、アムネスティ・インターナショナル日本の久富惠雄さんにアムネスティの概要及び活動紹介、アムネスティから見た日本政府の人権政策の課題について、具体例を交えながらお話しいただきました。

「日本の人権外交」

4月30日(16:40~18:10)

日本の人権外交に対する理解を深めるために、外務省総合外交政策局人権人道課の山中修さんに、我が国の人権外交の考え方、国連における人権の議論及び人権保障メカニズム(人権理事会・人権理事会における普遍的・定期的レビュー・特別報告者・国連総会第3委員会・北朝鮮人権状況決議を巡る最近の動向など)、国連人権高等弁務官事務所との協力、人権諸条約及び政府報告審査、第三国定住事業の概要などについて、具体例を交えながらお話しいただきました。
(講座の様子は、こちら(外務省ホームページ)でも閲覧できます。)


「外国人の人権擁護」

5月19日(14:55~16:25)

日本の裁判における国際人権法の役割に対する理解を深めるために、弁護士の宮崎真さんに、在留外国人の推移をご説明いただいた上で、「在留資格のない外国人の癌治療のために在留資格を認めるべきか」「家族の結合と子どもの最善の利益」「国籍と認知」といった事例について、実際の判例をもとにお話しいただきました。


「愛知県における多文化共生について~ともに生き ともに輝き ともに創る~」

5月26日(14:55~16:25)

愛知県の多文化共生社会づくりに対する理解を深めるために、愛知県地域振興部多文化共生推進室の神谷輝さんに、日本・愛知県で暮らす外国人の現状、多文化共生の意味、愛知県の多文化共生の推進体制、テーマ別取組(教育・医療・その他)についてお話しいただきました。


「名古屋市の多文化共生施策について」

6月2日(14:55~16:25)

名古屋市の多文化共生施策に対する理解を深めるために、名古屋市市長室の岡部克矢さんに、多文化共生の意義、多文化共生推進プラン・実施計画の概要、名古屋市総合計画2018、多文化共生関連事業(名古屋国際センター(NIC)事業紹介)について、グループワークを交えながらお話しいただきました。


「アイヌ政策をめぐる昨今の状況について」

6月9日(14:55~16:25)

日本政府のアイヌ政策に対する理解を深めるために、国土交通省北海道局総務課アイヌ施策室の蹴揚秀男さんに、アイヌの人々・文化と歴史、我が国のアイヌ政策の概要、アイヌ文化振興等施策、最近のアイヌ政策の動向などについてお話しいただきました。


「JICA中部訪問プログラム」

6月23日(15:40~17:40)

シリア難民問題の実態に対する理解を深めるために、独立行政法人国際協力機構(JICA)中部の「なごや地球ひろば」を訪問し、JICAの古川浩一さんに「シリアの難民問題」についてお話いただきました。また、訪問時には「なごや地球ひろば」の概要もご説明いただきました。


「難民支援活動」

7月7日(14:55~16:25)

在日難民の支援活動に対する理解を深めるために、名古屋難民支援室の羽田野真帆さんに、日本における難民問題に関する基本事項、名古屋難民支援室の活動、日本における難民認定制度及び難民支援の課題などについて、具体例を交えながらお話しいただきました。


「日本の国際機関を通じた難民支援」

7月9日(16:40~18:10)

日本の国際機関を通じた難民支援に対する理解を深めるために、外務省国際協力局緊急・人道支援課の熊倉彩さんに、難民の定義、最近の世界の難民を巡る状況、難民支援を含めた人道支援、国際機関(UNHCR・UNRWAなど)を通じた難民支援について、ザンビアやモーリタニアの事例を交えながらお話しいただきました。
(講座の様子は、こちら(外務省ホームページ)でも閲覧できます。)


「弁護士から見た日本の難民認定制度」

7月14日(14:55~16:25)

日本の難民認定制度に対する法的理解をさらに深めるために、弁護士の川口直也さんに、「難民」の定義、難民認定手続(出入国管理及び難民認定法、2005年施行入管法改正、難民認定申請手続、退去強制手続との関係、補完的保護[在留特別許可]、取消等訴訟、執行停止、再度の難民認定申請)と現在の日本の難民認定の問題(実務上の問題、難民認定申請手続き上の問題等)についてお話しいただきました。


「私の難民支援活動」

7月21日(14:55~16:25)

日本国内における難民支援活動に対する理解を深めるために、名古屋難民支援基金の津田秀一さんに、日本に来た難民たちの生活、入管収容施設、エチオピア難民支援活動について、ご自身の体験を交えながらお話しいただきました。


履修者の感想(一部抜粋)

  • 通常の講義では知ることができないような現場の様子を知り、かつ実体験を聞くことができるので、たくさんの知識を得ることができたのがよかったです。
  • とても貴重な話を毎回聞くことができて、すごく自分の力になったと感じました。特に難民支援についてじっくり深くまで学べたことがすごく勉強になりました。
  • 講演会の情報を集めて自分の聞きたいものに参加するとなると時間や聞いているテーマの偏りが生まれてしまうが、授業で多くの講師の方を招いていただけたことで、普段あまり聞かないような講演を聞くことができた。また、政府関係者の方や弁護士の方などから話を聞くことができたことで、同じ問題、テーマでも別の視点からの考え方、方針を知ることができたのでよかった。
  • 普段お会いすることができない人のお話を聞けたり、JICA訪問など、他の授業では学べないことを学べたので貴重な体験になった。様々なテーマについて詳しい方のお話が聞けたので知識が増え、視野も広がった。
  • テーマごとに授業を行うことで事前の授業で得た知識が深まりとてもよかったです。また老若男女、年代幅広く色んな職業の講師の方を呼んでいただき、色んな視点で社会問題について学べることができました。

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