この授業では、国際関係論(International Relations:IR)の主要課題である日本の安全保障、国際平和協力及び地球環境政策に関する基礎知識を学んだ後に、国際公務員・国家公務員・地方公務員・NGO職員・弁護士などとして、実際に日本の安全保障、国際平和協力及び地球環境政策に携わっている講師がそれぞれの関係する分野の現状と課題に関する講義を行いました。その後、一部の履修者には発表の機会を設けることにより、授業内容に関する理解を深めさせました。(なお、講師のご所属は授業当時のものです。)
9月28日(14:55~16:25)
安全保障を実務の観点から理解するために、自衛隊愛知地方協力本部長 ・1等陸佐の田渕忠史さんに、ベトナムでのご経験を踏まえ、防衛駐在官の勤務内容、ベトナムの安全保障問題、日越防衛協力・交流の推進などに関してお話しいただきました。
10月5日(14:55~16:25)
国連による人間の安全保障と内発的地域開発の推進を理解するために、国連地域開発センター(UNCRD)上席研究員の高井克明さんに、UNCRDの概要、国連開発の視座、内発的地域開発アプローチなどに関してお話しいただきました。
10月12日(14:55~16:25)
海上保安庁による海賊対策の現状を理解するために、海上保安庁警備救難部国際刑事課海賊対策室専門官の林亮治さんに、海上保安庁でのこれまでの勤務経験及びご自身が海賊事案に携わったご経験を踏まえながら、これまでの海賊事案に対する海上保安庁の取組に関してお話しいただきました。
10月19日(14:55~16:25)
日本の国際平和協力を理解するために、内閣府国際平和協力本部専門官の相原泰章さんに、世界の紛争及び国連PKOの概観をご説明いただいた後に、我が国の国際平和協力及び国際平和協力員制度に関してお話いただきました。
11月9日(14:55~16:25)
自衛隊による国際貢献のあり方を憲法の観点から理解するために、弁護士の川口創さんに、マスコミでは報道されなかった事実を踏まえながら、イラク派兵差止訴訟の経緯、訴訟に対する名古屋高裁判決の内容に関してお話いただきました。
11月16日(16:40~18:10)
自衛隊イラク差止訴訟とそれに対する名古屋高裁判決の理解を深めるために、立教大学教員の池住義憲さんに、ご自身が訴訟に関わった体験を踏まえながら、その経緯、請求内容、判決骨子に関してお話いただきました。
11月30日(14:55~16:25)
アデン湾における海賊対処に対する理解を深めるために、いせ船務長・3等海佐の河合元さんに、ご自身が第7次派遣海賊対処行動水上部隊先任隊に勤務されたご経験を踏まえながら、海上自衛隊の海賊対処行動に関してお話いただきました。
12月7日(14:55~16:25)
地球環境政策のキーワードである「生物多様性」「気候変動」「グリーン経済」に対する理解を深めるために、国連地域開発センター(UNCRD)上席研究員の高井克明さんに、地球環境問題に対する国際社会の取組を復習しながら、これらの概念及びそれらに基づくエコツーリズムに関してお話いただきました。
生物多様性問題に対する名古屋市の取組を理解するために、名古屋市環境局環境企画課主幹の山田好人さんに、生物多様性に関する名古屋市の具体的施策(生物多様性2050なごや戦略の策定、名古屋生物多様性センター及びなごや生物多様性保全活動協議会の設立)と課題(外来スイレン及びミシシッピアカガメ対策)に関してお話いただきました。
1月11日(14:55~16:25)
環境問題に対する愛知県の取組を理解するために、愛知県環境部環境政策課主査の大谷真弓さんに、平成24年版環境白書をもとに、地球温暖化、大気環境、騒音・振動、悪臭、水環境、土壌環境・地盤環境、廃棄物・資源循環、自然環境の保全及び環境リスクに対する愛知県の取組に関してお話いただきました。
1月18日(14:55~16:25)
環境問題に関する理解を深めるために、環境省中部地方環境事務所統括自然保護企画官の曽宮和夫さんに、環境省の概要、自然環境保全への国際協力の実例(南米)、各種条約と我が国の保全施策の実例(生物多様性条約・世界遺産条約・ラムサール条約)及び地球環境の地域環境の関係に関してお話いただきました。
本授業ではまた履修者による発表会も行いました。発表会では、上記の授業を踏まえ、履修者による「日本の国際平和協力」に関する報告及びその報告を踏まえた履修者間の意見交換が行われました。
1月18日(16:40~18:10)
※この科目は、2013年度は「法実践講義Ⅰ(IR実践論)」として開講します。