この授業では、最初に、国際関係論(International Relations:IR)の主要課題である人権、難民及び文化外交に関する基礎知識を学んだ後に、国家公務員・地方公務員・NGO職員・弁護士などとして、実際に人権、難民及び文化外交を実践している講師がそれぞれの関係する分野の現状と課題に関する講義を行いました。その後、一部の履修者には発表の機会を設けることにより、授業内容に関する理解を深めさせました。(なお、講師のご所属は授業当時のものです。)
4月17日(14:55~16:25)
日本の裁判実務において国際人権条約がいかに適用されているかを理解するために、弁護士の宮崎真さんに、平成20年6月4日の2つの最高裁判決(国籍法関係)、平成22年12月9日名古屋地方裁判所判決(裁決取消訴訟)、平成23年12月21日名古屋高等裁判所判決(遺留分減殺訴訟)、自由権規約の個人通報制度批准に向けた日弁連の取り組みについてお話しいただきました。
4月24日(14:55~16:25)
アムネスティ・インターナショナルの活動を理解するために、アムネスティ・インターナショナル日本の久富惠雄さんにアムネスティの概要及び活動について、実践例を交えながらお話しいただきました。
5月1日(14:55~16:25)
男女平等参画社会の実現に向けた名古屋市の条例や計画の概要を理解するために、名古屋市総務局男女平等参画推進室の三世時久さんに、「名古屋市男女平等参画基本計画2015」をもとに、男女共同参画社会の実現のための名古屋市の施策(5つの目標と4つの重点項目)についてお話しいただきました。
5月15日(14:55~16:25)
日本国内における難民支援活動を理解するために、名古屋難民支援基金の津田秀一さんに、これまでの活動内容(入管収容施設参観・入管質問調査)もとに、日本の難民認定制度の現状と問題についてお話しいただきました。
5月22日(15:40~17:40)
日本による難民支援活動に関する理解を深めるために、JICA中部「なごや地球ひろば」を訪問し、独立行政法人国際協力機構(JICA)の古川浩一さんに「なごや地球ひろば」の概要をご説明いただくと同時に、シリア緊急支援団体「サダーカ」代表の田村雅文さんに「シリア人難民支援の為のヨルダン訪問」についてお話いただきました。
5月29日(14:55~16:25)
日本の難民認定制度に対する法的理解をさらに深めるために、弁護士の川口直也さんに、日本の難民認定手続(出入国管理及び難民認定法における難民認定申請、難民不認定処分に対する異議申立、難民不認定処分取消請求訴訟等)をご説明いただいた後、現在の日本の難民認定の問題(事実認定・手続・訴訟等)についてお話しいただきました。
6月12日(14:55~16:25)
国連教育科学文化機関(ユネスコ)に対する理解を深めるために、名古屋ユネスコ協会の田川清さんに、ボランティアの定義、日本の民間ユネスコの活動(世界寺子屋運動・持続可能な開発のための教育など)についてお話しいただきました。
6月26日(14:55~16:25)
名古屋市の多文化共生施策に対する理解を深めるために、名古屋市市長室の安藤誠さんに、多文化共生に係る名古屋市現状、多文化共生に係るアンケート調査結果、名古屋市多文化共生推進プランについてお話しいただきました。
7月3日(14:55~16:25)
日本政府のアイヌ政策に対する理解を深めるために、国土交通省北海道局総務課アイヌ施策室の笈田雅樹さんに、アイヌの人々・文化、我が国のアイヌ政策の概要、アイヌ文化振興施策、最近のアイヌ政策の概要について、施策を進める立場からの視点も踏まえながらお話しいただきました。
7月10日(14:55~16:25)
愛知県の多文化共生施策に対する理解を深めるために、愛知県地域振興部多文化共生推進室の稲波智子さんに、日本で暮らす外国人の現状、愛知県の推進体制、テーマ別取組(教育・労働・医療・コミュニケーション支援など)についてお話しいただきました。
7月10日(16:40~18:10)
日本の出入国管理行政に対する理解を深めるために、法務省大津地方法務局(元大阪入国管理局)の大西広之さんに、出入国管理組織・職員・審査について、2012年7月に開始された在留カード制度をはじめとする実践例を交えながら、お話しいただきました。
本授業ではまた履修者による発表会も行いました。発表会では、上記の授業を踏まえ、履修者による「アイヌ文化に対する日本の政策」や「日本の難民支援」 に関する報告及びその報告を踏まえた履修者間の意見交換が行われました。
7月17日(14:55~16:25)