2010年代から全国に広がった子ども食堂
子どもやその親、地域の人たちに無料または安価で食事を提供し、交流を生みだす「子ども食堂」。2010年代にボランティアとして始まったこの社会活動は、各地で爆発的に広がりました。現在では全国6,000カ所を超える子ども食堂が、地域のボランティア団体などによって運営され、現代日本の居場所の代表格になりました(令和2年10月現在、児童館数は4398カ所)。なぜ急速に全国で展開されていったのか、さまざまな原因がありますが、ちょうどその頃に「子どもの貧困」問題が注目されたことや、人とのつながりが希薄になった社会背景が影響していると考えられます。
成元哲ゼミでは、2016年から愛知県内の子ども食堂にボランティアとして参加し、記録を取る「われらのこどもプロジェクト」を続けています。当初、県内には子ども食堂がどれほど存在しているのかといったデータはありませんでした。ゼミ生たちは県内各地の子ども食堂に出向き、愛知子ども食堂マップやパネル、報告書などを作成しました。