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体験的学びの
プロジェクト

社会福祉・福祉文化・地域連携を考え、
生涯にわたる地域社会の担い手を育成することを目的に、
地域の高齢者との交流のほか、多様な体験を重ねていきます。

社会福祉学専攻:中嶌 洋 教授

体験的なプロジェクトを重ねる意義

現場主義を基本とする中嶌ゼミでは、学生たちが将来的に、高齢、障害、児童、地域、医療など様々な領域で福祉専門職として活躍するソーシャルワーカーとなることを見据えて、複数のプロジェクトを展開しています。学生たちは、実体験を通じた学びの経験を積み重ねることによって、創造力・思考力・構想力・行動力・協調性などの基礎を修得していきます。

「高度情報化社会では瞬時に多様な情報を入手しやすくなっていますが、手間ではあっても現地に赴き、フィールドワークを重視する姿勢は大切です。苦労して得た経験は、その後に役立ちます。ここでは情報収集のための〈プロセスそのもの〉を体験学習の機会の一つとして重視し、人やモノと直接的に関わる機会を大事にしてほしいと考えています」と中嶌先生は言います。ゼミでは (1)児童福祉を体験的に学ぶプロジェクト (2)福祉文化を学術的に考えるプロジェクト (3)豊田市と中京大学との地域連携プロジェクト を実施しています。

多様な方面に興味・関心を広げる

(1)では、愛知少年院に赴き、中京大学の卒業生でもある保護観察官の説明を聞くほか、院生たちの授業風景・作業現場を見学します。少年たちが入院に至った背景、入院中の生活実態・矯正教育、退院後の課題などを深く学びました。

(2)では、日本福祉文化学会全国大会東海大会(2019年11月30日~12月1日)に際して、企画・立案・運営の作業を担当。受付、案内、会場係、掲示係など細かく役割分担し、責任と自覚をもって行うなかで、観察力・行動力・チームワーク力を高めました。また、社会で活躍する人から直に学ぶ機会ともなりました。

(3)では、中京大学と豊田市および豊田市社会福祉協議会が連携して、地域の生活・福祉課題に取り組むというコンセプトではじまった事業のなかで、様々な活動を模索しています。地域の高齢者との交流は、2~3年生が中心となって、地域の高齢者サロンに出向いて、出前講座を実施。現在、不要となった学生の自転車を生活困窮者に提供する「サイクル・プロジェクト」が始まっています。今後は、大学内に交流サロンを開設することを目ざし、多くの方々が大学を交流の場とするような構想をもっています。

経験は、学び成長する生涯の力となる

高齢者向けの出前講座にあたっては、学生自身が〈イラスト教室〉〈伝言ゲーム〉〈コグニサイズ〉などの内容を企画・検討し、グループごとに実施。当日に向けての広報活動まで学生たち自らが考え、実践的・体験的に学びました。自分にできること・得意なことを生かしながら交流の時間を創り上げ、喜んでいただいた体験は、学生たち自身にとっても大きな力になったと思います。また、直に高齢者と接して気づかされることも多々あったでしょう。

中嶌先生は「特に社会福祉学専攻の学生には、自分の住んでいる地域や地元にもっと関心をもち、地域が今どのような状態にあり、どんな課題を抱えているのかを深く知ってほしいです。社会福祉サービスや援助内容を生み出すのは、近くの地域住民の生活課題であることを忘れてはなりません」と語っています。さらに、中嶌先生は「どのような進路選択に至っても、自分を知り、生かし、何かに没頭できる生涯学習者の一人として、日々向上できる人材に成長してくれることを期待します」と語りました。


その他、様々なプロジェクトの状況を
「社会つながりプロジェクト」で更新しています。