国際英語学科と香港市立大学の学生が交流会
日本と中国の文化や教育制度の違いなどを意見交換

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自己紹介をする香港市立大学の皆さん(右)

●香港市立大学の学生との2つの交流を通じて

  2008年6月、香港市立大学から2つのグループの学生を迎えて、2度に亘る交流会を中京大学国際英語学科の学生たちによって行った。香港市立大学の学生の来日目的は、実際に日本に短期滞在をしながら「日本学」の研究をすることであり、交流は、私たち国際英語学科の学生がそのお手つだいをするという形式で行われた。2つの大学の学生たちが共同で調査を進めていくうちに、お互い率直な意見を交換し合い、共鳴するところ、または反対意見を言うなど、普段では経験できない貴重な体験となった。
  第1回目の交流会(6月10日)での彼らの研究課題は、日本における「食品偽装問題」、「協同社会責任」、「名古屋独自の伝統食」などであった。香港からの学生8名は、2~3名のグループに分かれて調査をしており、同数の中京大学の学生がその研究調査に加わった。私達が参加したグループは、「食品偽装問題」を調査しているグループで、意見交換をする中で、私達の持つ問題意識と彼らの捉えていた日本の食品偽装問題の意識とのギャップを感じた。

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グループ討議をする両大学の学生達

  例えば、「食品偽装により、多くの日本人が怒り、その企業の製品を買わなくなった」と、彼らは総括していた。そこで、「一旦、食品偽装をした企業の製品を買う人多くもいる」と意見を述べると、彼らはとても驚いていた。その後の話し合いの結果、食品偽装の報道がそれに怒りをもっている人々や、買わなくなった人々のみに集中していたのではないかという結論になった。彼らによると、「同じ様な問題が香港でも発生していたが、それは大きな問題にはなっていない」 との話であった。「商品を選ぶ消費者にも責任があるのではないか」という意見も多く出ていた。この調査を通して、双方の考え方の相違点を知り、従来の表面的な異文化交流よりも、今回はさらに深く踏み込んで理解することができた。
  第2回目の交流会(6月13日)では、私たちは、前回とは異なるメンバーの香港市立大学の学生14名と交流する機会を持った。今回は、研究調査というよりも、日本と香港の文化の相違、学生生活、教育制度などについての意見交換を行うという趣旨のものであった。討論を進めるうちに、日本と香港の教育制度の違いが多岐に亘ることが判明した。お互い決して遠い国ではないのに、知らないことの多さに驚き、またその基礎になるであろう双方の生活様式の違いに大いに驚き合った。

  この2つのグループとの交流を通して感じたことは、香港英語という中国語の影響を深く受けた英語が中国の中での共通語として着実にその役割を果たしていることである。そのため、私達も多くの外国人の英語に対応できるようにしなければならないと感じた。また、発表力の向上に励んできてはいるが、彼らの何事にも進んで自分の意見をどんどん発表しようとする積極性を私達も学ばなければならないと思った。英語が話せるということだけではなく、話す内容に対する高度な知識を持つことも大切だということも感じた。
  このような交流を通して、英語が母語ではないもの同士が、お互いに刺激し合うことができたことは非常に意義が高い。交流会終了後、「世界の各地で起こっていること、また日本国内で起こっている様々な問題に目を向け、幅広く、そしてより深く理解しよう。そして、それらに対する意見をもち、高度な英語力を用いて発表していく力を獲得したい」と話し合っている風景が会場の各所で見受けられた。
  記念写真を撮り合い、握手をして別れを惜しんだ。 終わりに、このような貴重な機会を提供して頂いた、香港市立大学の先生方、また中京大学の先生方に心からお礼を申し上げたい。

(国際英語学部3年・加藤 純子、福富 晴香、柳浦 由紀子)

2008/09/29

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