概要・特色

研究科の特色

5つの専攻(修士課程)
 2024年4月に日本語日本文学専攻、言語文化専攻、歴史文化専攻、法・政治学専攻および経済・経営学専攻の5専攻(修士課程)を設置しました。
 2026年4月には、博士後期課程の設置を構想中です。
研究科共通科目の設置
 研究科共通科目は人文社会科学研究科に設置する各専攻の学生が共に学ぶ科目です。専門分野を超えた共通知(汎用的な知識・スキル)や、学際性を身に付けます。4つの科目群で構成されており、1単位(全8回)の科目を設けるなど履修のしやすさが特徴です。

※以下、( )内は単位数

  • 研究者基礎力養成科目群
    研究倫理(1)※必修、学術研究のための情報リテラシー(1)、English as an International Academic LanguageⅠ(2)、同Ⅱ(2)
  • 現代的課題科目群
    国際社会と平和(1)、持続可能な社会(1)、現代の危機管理(1)、人工知能と現代社会(1)、多言語社会のコミュニケーション(1)、アーカイブズ学基礎(2)
  • 留学生支援科目群(留学生対象)
    留学生のための日本語論文執筆法1(2)、同2(2)
    ※いずれも自由科目
  • 教職支援科目群(学校教員を目指す学生対象)
    教育開発論(2)、現代教育の諸課題(2)
    ※法・政治学専攻および経済・経営学専攻は自由科目
他専攻科目履修
 目指す進路や取り組んでいる研究に有益である場合は、他専攻の科目を履修することができます。日本語教師を目指す言語文化専攻の学生が、日本語日本文学専攻の日本語学科目群や日本語教育科目群を履修する、税理士を目指す法・政治学専攻の学生が、経済・経営学専攻の会計・ファイナンス科目群を履修する等がその例です。
研究指導教員と副指導教員の複数指導体制
 大学院では、学部で学んだ知識や理論を基礎として、学術的な研究を行います。このため、研究を指導する教員(研究指導教員)の選択は重要です。研究指導教員は、1年生の春学期から2年生の秋学期まで開講する研究指導科目(必修)の中で、研究テーマの決定、関連研究調査、研究の具体的な進め方、研究結果の評価、研究成果の発表、学位論文の作成等、研究全般にわたって指導します。また、人文社会科学研究科では、副指導教員からの指導を受けることができます。具体的には、1年生の秋学期から2年生の秋学期まで開講する論文執筆指導科目の中で、副指導教員が研究指導科目の補完的な指導を行います。
多様な学修歴(経歴)を持つ学生の受入れ
 多様な背景(学修歴)を持った学生を受け入れるために、5つの入試区分(一般・社会人・留学生・学内特別・卒業生特別選抜)を設けています。法・政治学専攻(法学領域)および経済・経営学専攻(経営学領域)では、税理士を目指す方を対象にした税理士選抜も実施しています。
 また入学後の学修や研究活動に必要な知識やスキルを補うことを目的として、学部開講科目を無料で履修することができるようにしています。学部卒業後長期間経過した社会人や学問分野が異なる学部出身者にとっては役立つ制度といえるでしょう。
  • 学部科目の履修にあたっては研究指導教員の許可が必要です。
  • 履修可能な学部科目は、原則として所属する専攻の基礎となる学部の固有科目に限ることとし、在学中10単位を上限にしています。
税理士養成のための履修モデルを設置(法・政治学専攻、経済・経営学専攻)
 法・政治学専攻(法学領域)および経済・経営学専攻(経営学領域)では、税理士養成のための履修モデルを設置しています。法・政治学専攻は税法に属する科目の研究、経済・経営学専攻は会計学に属する科目の研究を行って修士論文を完成させることになります。
 修了後に修士論文を国税庁に提出して、国税審議会に認定された場合は、法・政治学専攻修了者は税理士試験の税法に属する科目3科目のうちの2科目、経済・経営学専攻修了者は会計学に属する科目2科目のうちの1科目が免除されます。
 税理士を目指す方は、入学試験は税理士選抜で受験をします。試験は筆記試験と口頭試問ですが、税理士試験科目(税法に属する科目または会計学に属する科目)のうち、1科目以上合格している場合は、筆記試験(専門科目)を免除します。

養成する人材像と教育研究上の目的

専攻
養成する人材像
どのような人材を養成するか
教育研究上の目的
どのような知識・スキルを身に付けるか
研究科全体(全専攻共通)
 グローバル化や少子高齢化、情報化といった急激な社会の変化のなか、労働市場や産業・就業構造の流動化によって将来予測が困難な時代を生き抜くために、高度専門職業人または研究者として、「人間性」や「社会システム」の視点から、人間と社会が抱える複雑かつ多様な課題を学問的に分析できる能力および創造的かつ実践的な解決策を提案し得る能力を身に付け、持続可能な社会の実現に貢献することができる人材を養成します。
  • 研究に従事する者として、法令を遵守し、高い倫理観を持って自らを律し行動する能力
  • 自らの専門分野における確かな学識と研究遂行能力を有し、社会が抱える複雑かつ多様な課題に学術的側面から多面的に取り組む能力
  • 研究成果発表等の経験を通じて、自らの考えを説得力ある言葉で、他者に的確に伝える能力
  • 自らの専門分野に偏重することのないグローバルな視点や学際的な視点
日本語日本文学専攻
 長い歴史を持つ日本文学や日本語に関する広範な知識および本文読解能力を有し、日本の伝統文化の本質を明確に自覚・継承して後代や他者に伝えてゆく者として、あるいはメディアや実地調査等に基づいて現代の文学・言語に関わる諸問題を分析し、解決策を立案できる者として、学校教育、行政機関、企業、社会教育施設、出版および国際交流の場等において、指導的な役割を担うことのできる人材を養成します。
  • 日本文学や日本語に関する高度かつ体系的な知識
  • 古今の文学作品の読解力や優れた日本語能力を活かして、対外的なコミュニケーションやプレゼンテーションを適切かつ積極的に行う能力
  • 豊かな日本の文化遺産に敬意を払いつつ、それらを後代の者や他者に伝えていく技術
  • グローバル化した高度情報社会が直面する文学および言語に関わる諸問題を実証的に分析し、その解決策を立案する能力
言語文化専攻
 複言語・複文化主義の見地に立ち、特定の言語・地域・時代に捉われることなく、広く言語文化の多様性と普遍性に対する理解を深め、高度で深遠な専門知識と広範な教養を持つ人材を養成します。特に多様な文化的価値観が混在する現代のグローバルな社会状況において、複数の言語運用能力とその背景となる多様な文化的・歴史的知見に基づき、人間社会の根幹を形成する種々の言語文化活動を対象として、今日の社会の諸問題について深く考察し研究を行うことができる自立的な言語・文化・歴史研究の研究者、初等中等および高等教育機関における語学の教育者を養成します。
  • 学際的見地および科学的・学問的な立場から、言語文化の諸領域を横断的に俯瞰できる知識と技能
    (広い視野に立った豊かな学識)
  • 世界の多様な言語文化の特色と普遍性を深く理解し、体系的な知識と幅広い教養に基づき、独創的な研究を行う能力
    (専攻分野における研究能力)
  • 英語およびその他の外国語の高度な運用能力(複言語能力)を備え、それを専門分野の研究・職業に役立てる実践的能力
    (高度な専門性が求められる職業を担うための卓越した能力)
歴史文化専攻
 日本の歴史文化を中心とした広範な専門知識および史資料読解力を有し、その知識・能力をもって史資料や史跡を今の時代に活用し、次世代へ向けて保存・管理する者として、あるいは広く歴史や伝統を踏まえた地域社会の発展を推進する者として、博物館その他の社会教育、自治体史編纂、まちづくり、学校教育、出版および観光等の場において、グローバルな視野に立ちながら指導的な立場で活躍できる人材を養成します。
  • 日本の歴史や日本文化に関する高度かつ体系的な知識
  • 現代の高度情報社会・ボーダレス社会が直面する諸問題を、歴史的な視点から実証的に分析し、その解決策を立案する能力
  • 古文書や史資料の読解力や優れた日本語運用能力を活かして、対外的なコミュニケーションやプレゼンテーションを適切かつ積極的に行う能力
  • 豊かな日本の歴史・文化遺産に敬意を払いつつ、それらを保存し、後代の者や他者に伝えていく技術
法・政治学専攻
 法学または政治学に関する広範な専門知識、思考方法および問題解決方法を修得して、その知識や方法を活かして、ますます高度化・複雑化する課題の解決に有効な提言をできる者として、あるいは国際政治や国際関係の視点から国際的諸問題の解決に貢献できる者として、行政機関、企業の法務部門および国際協力等の場において活躍できる人材並びに税理士や司法書士等の専門職に就く人材を養成します。
  • 法学および政治学に関する高度かつ体系的な知識を修得することにより、法的または政治的な問題を発見し分析する能力
  • 法学または政治学に関する高度な研究を行うことにより、法的または政治的な問題に対する理論的かつ実践的な解決策を立案する能力
  • 法学または政治学の視点から、国際的諸問題の解決に貢献できる知識および能力
経済・経営学専攻
 経済学または経営学に関する広範な知識を身に付け、経済学または経営学の視点から、経済社会や企業等様々な組織における諸現象・諸課題を分析し、創造的に解決する能力を持った人材を養成します。経済学・経営学の学問の発展と新しいパラダイムの構築に資することのできる研究者および高度な専門学識を通じて学問研究と社会の結びつきに資する専門職業人を養成します。
  • 経済学または経営学の高度な専門的知識および思考能力
  • 経済学を専門とする者は経営学、経営学を専門とする者は経済学の基本的な知識を持ちつつ自らの専門分野の研究を発展させる能力
  • 自らの専門分野の高度な専門的知識や思考能力をもとに、経済学または経営学の視点から諸課題を発見し分析する能力
  • 自らの専門分野に関し、グローバルかつ学際的な視点で諸課題を検討する能力