兵庫県たつの市出身で、大学進学から東京に行きました。大学院を修了し、都内の専門学校、短期大学、4年制大学などで教育経験を積み、帝京平成大学、高知県立大学を経て本学に赴任しました。専門は社会福祉学、社会事業史です。研究手法は人物史研究やネットワーク研究が主です。最近では、歴史研究のみならず、ボランティア活動、生涯学習、生きがい、孤独死などにも興味があり、質的研究を中心にフィールドワークを幅広く行っています。
お城巡り、お遍路(四国巡礼八十八箇所)などの旅行や食べることが好きです。若いころ、剣道をやっており2段です。近年ではもっぱらスポーツ観戦が主となっており、ボクシング(格闘技全般)、相撲、サッカー、バレーボール、陸上、フィギュアスケートなど幅広く観ます。健康の維持・増進のためのトレーニングや有酸素運動に取り組んでいます。
現代社会と福祉、ソーシャルワーク演習・実習、演習Ⅰ~Ⅴ(2~4年生ゼミ)などを担当しています。社会福祉学専攻だからといって、決して社会福祉の援助技術論ばかりに目を奪われないよう、現代社会が今どう変容しているのか、自分の住んでいる地域社会が抱える問題は何かなど、個々の学生の足元を意識した授業を展開しています。虐待、障害、地域包括ケア、ハンセン病、震災、認知症など、多様なトピックを多角的に捉え、深められるように配慮しています。
老々介護、認知症ケアなど在宅介護をめぐる問題への対応策(事業・制度)の起源や展開を歴史的に研究しています。ここ最近、取り組んでいることは、戦後日本のホームヘルプ事業の起源とされる家庭養護婦派遣事業(長野県上田市中心)の実態解明とホームヘルプ事業の先覚者である原崎秀司(元、長野県社会部厚生課長)に関する人物史研究です。多角的にアプローチし、現存しないとされる原史料を発掘し分析することや史料等で活字化されていない伝聞情報や逸話を聞き取り、知見を得ることは歴史研究の醍醐味であり、学術領域を一歩も二歩も前進させる契機につながることがあります。質的データを質的に分析するだけではなく、計量的分析の可能性をも探究しています。
社会福祉を学ぶことは地域社会を深く知るところから始まります。また、地域社会の“地域”をどう定義づけるかによっても学び方や視点が変わってきます。本ゼミではフィールドワークを重視し、現場主義に基づき研究を進めていきます。その取っ掛かりとして、2年生では、地域の伝統・風習、地域の特性、地域格差、地域間交流など、地域を知るための演習を通して基礎固めをし、3・4年生では、社会福祉分野のなかから各学生固有のテーマを選び、卒業論文の完成を目指します。各学生の主体的な学習態度とアットホームなゼミの雰囲気を大切にしています。
社会学が社会を対象とする学問とすれば、その範囲には限りがありません。そして今目前に見える社会現象のすべてが過去の事象の積み重ねによって成り立っています。過去の事象とはその時の社会情勢、人間の意図、偶発的要素などが絡み合って成立したものであるため、それを紐解くことは容易ではないですが、必ず形成因を追究できます。そうした地道な作業を通じて、過去の事象・事例から現在・将来の人々の暮らしや社会生活に教訓や予測として役立てられる面白みがあります。
「社会学専攻」「コミュニティ学専攻」「社会福祉学専攻」「国際文化専攻」の4専攻から成り立つユニークな学部で、多様なテーマを幅広く学べます。また、海外研修や現場実習など、実践面にも力を入れているところが特徴的です。教授陣も社会学・社会福祉学分野の論客が揃っており、飽きさせない授業が展開されます。2年生の秋学期からゼミが開講されるため、丁寧な教育・指導を早期から受けられるところも魅力的なところです。
社会学(含 社会福祉学)の他に、教育学(生涯学習)にも興味がありましたが、大学院生時代に、原点研究という歴史的アプローチを学び、ホームヘルプ事業史研究に没頭してきています。社会学のなかの社会福祉学に注目する理由は、社会福祉実践にこそ人間性が色濃く見られることと、もっとこの分野に光を当て、利用者や家族の置かれている現状を改変していく必要性を感じているからです。ゼミのほか、共同研究、学際的研究、国際比較研究なども進めなければなりません。
暗記中心の勉強ではなく、様々な体験から学んでください。科目履修、ゼミ選択、実習、就職、自分探しなど苦悩することが多いかと思います。しかし、あれこれ悩んだり考えたりする経験は無駄ではありません。苦難を乗り越えた先に小さな展望が開けてきます。是非、ともに本学で学び、みなさんの可能性を最大限伸ばしていきましょう。
高知県立大学から急遽、赴任することになりました。それ以前にも東京の大学等で教育活動に携わってきました。社会福祉士養成はいま岐路に立っていますが、新カリキュラムになっても、実践面重視は変わりません。大学での机上の学びと現場での学びの往復がより重要です。大学生活は長いようで短いため、時間を大切にし、息の長いソーシャルワーカーとして、あるいは社会に貢献できる社会人としての基礎固めを4年間で行いましょう。