教員・ゼミ紹介

コミュニティ学専攻

中原 純 准教授高齢者心理学・社会心理学

専攻分野
高齢者心理学・社会心理学
研究室
9号館4階
ウェブサイト
https://sites.google.com/view/nakaharajun
学歴
大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程(博士「人間科学」)
所属学会・団体
日本老年社会科学会、日本心理学会、日本社会心理学会
著書の紹介
  • 國分康孝(編)『カウンセリング心理学事典』誠信書房, 2008
  • 藤田綾子・山本浩市(監訳)『エイジング心理学ハンドブック』北大路書房, 2008
  • 吉川徹(編)『長期追跡調査でみる日本人の意識変容』ミネルヴァ書房, 2012
  • 日本老年行動科学会(編)『高齢者のこころ・からだ事典』中央法規, 2014
  • L. Jensen(Ed.)『Oxford handbook of human development and culture: An interdisciplinary perspective.』New York: Oxford University Press, 2015
  • 佐藤眞一・権藤恭之(編)『よくわかる高齢者心理学』ミネルヴァ書房, 2016

PROFILE

広島出身です。茨城県つくば市で大学生活を送った後、大阪で大学院時代、助教時代を過ごす。その後、研究員として、東京やアメリカ(ウィスコンシン州)で暮らし、前職(聖学院大学准教授)は埼玉でした。国内外、様々なところで暮らし、様々な文化の体験をしてきましたが、2018年4月より愛知県(名古屋・豊田)です。豊田市駅前の駐車場の充実度には既に驚かされましたが、これから先の新たな文化的体験を楽しみにしています。

HOBBY

趣味は色々ありますが、野球・サッカー観戦、スキー、テニス、ジョギングでしょうか。

こんな科目を担当しています。

●人間関係の心理学 ●社会統計学 ●多変量解析論
人間関係の心理学では、社会心理学の理論をベースに、「人間関係が人の“こころ”にどんな影響を与えるのか」、「人の“こころ”は人間関係にどんな影響を与えるのか」といった人間関係と“こころ”の相互作用を、身近な話題を取り上げて講義しています。社会統計学や多変量解析論は社会調査士の資格関連科目ですが、信用できるデータの取得方法から、得られたデータの分析手法や結果の読み方まで、学生のみなさんが社会に出た後でも役立てられるような知識と技術を教えるように努めています。

こんなことを研究しています。

「人間関係が豊かな高齢者(友人が多い、親しい友人との関係が良好など)は、幸せであること」は、過去70年に渡り、日本においても海外においても繰り返し実証されてきました。しかし、その間、「なぜ、人間関係が豊かだと幸せ」という命題に対しては、議論は常にあるものの実証的に示す試みはほとんどありませんでした。そこで、私は、社会老年学の伝統理論である活動理論に立脚しつつ、高齢者が人間関係を通して形成する自己概念に焦点を当て、人間関係と幸せの因果関係に関する社会心理学的メカニズムを実証的に検討しています。

こんなゼミをしています。

社会心理学に関する文献や学術論文の購読をしています。毎回担当者が発表し、全員でディスカッションします。中原ゼミの目標は、「90分の時間中に教員が一言も話さないこと」としており、可能な限り学生同士で議論してもらうようにしています。また、ゼミ生の多くはドラゴンズ・プロジェクトに参加します。このプロジェクトでは、ドラゴンズやナゴヤドームに関する調査を行い、データを分析した上で、球団職員の前でプレゼンテーションをするものです。非常に大変ですが、その分、他ではなかなかできない貴重な経験になっていると思います。

教員にききました

社会学の面白さとは?

社会心理学は、普段の何気ない言動や他人とのやり取りの背後にある心理を考えるものです。社会心理学を勉強していると、私たちは、自分では全く気付かないうちに、ある一定の法則に従って、考え、話し、行動していることがわかってきます。この点が大変面白いです。また、そういった法則がわかると、その後の人間関係にも活かすことができますので、社会心理学は非常に役に立つ学問だと思っています。

現代社会学部ってどんなとこ?

良い意味でユニークな教員が集まっています。専門性も様々ですし、パーソナリティも様々です。現代社会学部に関わる全ての人の視野を広げてくれる場所だと思います。

社会学との出会いは?

大学生の頃に特別養護老人ホームへ入所されているターミナル期の高齢男性の事例に立ち会いました。その事例では、同じ施設に入所している奥様との関係が冷え切っており、ターミナル期にも関わらず男性のところに行ってもらえないということで、施設の方が悩んでいるというものでした。詳細は長いですので記述できませんが、その奥様の“こころ”の氷を溶かすために、当時の私の恩師が提案したのが、社会心理学の理論の1つ、認知的不協和理論を応用する方法でした。その方法が見事に成功し、奥様が最後は仲良くご主人を看取られた姿を目撃して以降、社会心理学に魅了されています。

最後に一言!

高校生のみなさんへ

自分の進路で悩んでいる人も多いと思います。どれかを選択するということは、どれかを諦めるということでもありますので、当然悩むものです。ただし、安心してください。しっかり悩んで出した結論について、後悔することはそれほど多くありません。理由は…。中京大学現代社会学部に入学した人には、授業でお話します。

在学生のみなさんへ

大学の4年間で、人間関係で悩んだり、緊張する場面を経験したり、新しいことに挑戦したり、積極的に多くの苦労をしてください。それが社会人になる準備です。