教員・ゼミ紹介

社会学専攻

森田 次朗 准教授学校社会学、教育社会学

専攻分野
学校社会学、教育社会学
研究室
9号館5階
学歴
京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学、博士(文学)
所属学会・団体
関西社会学会、日本社会学会、日本教育社会学会、日本社会学理論学会、国際社会学会(ISA)
著書の紹介
  • 「自殺願望の規定要因に関する一考察――JGSS-2006データによる分析」(『日本版General Social Surveys 研究論文集』第7集、pp.107-119、2007年)
  • 「現代日本社会におけるフリースクール像再考――京都市フリースクールAの日常的実践から」(『ソシオロジ』第53巻2号、pp.125-141、2008年)
  • “The Reconstruction of Public Education in Intimate Collaboration with Local Communities: A Case Study at an Aging Rural Area of Contemporary Japan”, Proceedings of the 1st Next Generation Global Workshop (Kyoto University, pp.692-701, 2009)
  • フランソワ・デュベ著、山下雅之監訳、濱西栄司・森田次朗共訳『経験の社会学』(新泉社、2011年)
  • 「社会科・公民科教育法における「社会参画」の可能性――コミュニティ・スクールを事例として」(『京都社会学年報』第21号、pp.1-22、2013年)

PROFILE

2014年4月より中京大学に着任します。生まれも育ちも京都府です。教師一家に育ったこともあり、小さい頃から「『教育』って何やろう?」ということを考えているうちに、それが大学での研究テーマになっていました。京都で大学院に進学して以来、関西を中心にフィールドワークという形で様々な形態の学校・教育の現場に伺いながら、そこでは何が「教育」とみなされ、それがどのような方法で実践されているか、またなぜそうした諸実践が社会的に必要とされるか、ということについて研究をしてきました。

HOBBY

趣味は野球、散策、読書、ギター、お笑い鑑賞といったところでしょうか。野球については、教育現場の生徒やスタッフが立ち上げている野球チームに参加し、定期的に練習試合をしてきました。

こんな科目を担当しています。

●人間形成論 ●社会教育論 ●教育実習Ⅰ・Ⅱ
1)人間形成論では、いじめや体罰、不登校、受験競争といった複数の「教育問題」をとりあげ、それが注目される社会的背景や原因、解決策について皆さんと一緒に考えることで、現代日本社会における「人間形成」(社会化)のあり方について検討しています。2)社会教育論では、図書館や博物館、児童館、子育てサークル、フリースクールといった「学校以外の教育・学びの場」を題材に、「教育」という営みの多様性と同時に「学校」とは何かという問いについて考えます。3)教育実習Ⅰ・Ⅱでは、教育実習に参加する学生の皆さんを対象に、教育実習に参加するにあたっての準備作業(事前指導)と、実習参加後の振り返り(事後指導)を担当しています。

こんなことを研究しています。

専門は学校社会学と教育社会学です。フリースクールや夜間中学校、外国人学校、へき地学校、特別支援学校といった複数の教育・学びの形態を研究対象としながら、1)「学校」とは何か、2)「公教育制度」はどのようにあるべきかについて社会学の観点から考えてきました。なかでも、不登校児童生徒の居場所づくりを目指す民間のフリースクールでは、ボランティア・スタッフとしてその活動に関わりながら、「学校とは異なる教育・学びの場」(オルタナティブ教育)の可能性について考察してきました。

こんなゼミをしています。

ゼミでは、いじめ問題やゆとり教育といった皆さんの身の回りにある教育現象のなかから、1)学生の皆さんが深く考えたいと思うテーマを見つけること、2)そうしたテーマに即して実際にフィールドワークを行い、データを収集すること、3)収集したデータを社会学の視点から考察し、最終的には卒業論文またはゼミ論文の形にまとめることを目指しています。ゼミで大切にしたいことは、知りたいことがあれば「現場」に出かけていき、現場の人々との交流をとおして自分で確認する姿勢です。

教員にききました

社会学の面白さとは?

月並みな表現になりますが、「当たり前」を疑う視点にあると思います。もう少し具体的に言うと、社会学の面白さとは私たちの「常識」が時代や場所によっていかに異なるか、つまり「自分の当たり前」が「他者の当たり前」とは異なることに気づかせてくれるところにあると思います。私の研究テーマである教育の文脈に即していえば、私たちが通ってきた「学校」というシステムは、歴史的にみるとまだまだ百数十年の「伝統」しかないこと(時間軸)、また日本社会の状況を海外社会と比較すれば、何歳から何年間学校に通い、どのような時間割で何を学習するかといったことや、そもそも法的に何を「学校」と呼ぶかといった多岐にわたる点で相違があること(空間軸)に気づかされます。
こうした「他者の当たり前」に出会うことで、あらためて「自分の当たり前」を反省的にとらえ返していくためのヒントをくれるのが、社会学の面白さであり魅力だと考えています。

現代社会学部ってどんなとこ?

とても「オープン」な場所です。先生方も学生の皆さんも気さくで、私にとっては初対面の人でもすぐに打ち解けて話をすることができる開放的な場所です。また、現代社会学部の所在地である豊田キャンパスは大学施設が広大で、キャンパスを取り巻く自然環境も非常に豊かなので、その点でも現代社会学部は文字通りオープンな場所ではないでしょうか。

社会学との出会いは?

社会学との出会いは、大学1年生の時に偶然受講した「社会学入門」という授業です。最初は社会学という言葉もろくに知らないまま、「単位欲しさ」に受講していたのですが、担当教員からアドバイスを受けながら、受験競争から人身売買、新興宗教といった多種多様なテーマについて受講者同士で議論し合うことで、社会学的な発想の基礎、つまり私たちの「常識」が社会や時代によっていかに異なるかを調べたり考えたりすることの面白さに気づきました。

最後に一言!

高校生のみなさんへ

大学では「答え」を急ぐ必要はありません。疑問に感じたことを自分なりの結論がでるまでじっくり考え抜いてください。

在学生のみなさんへ

色々な場所に出かけ、色々な人と会って話をしてください。人との出会いは自分を変えてくれます。ゼミをはじめ大学での勉強はもちろん大切ですが、同時にボランティアやサークル活動、趣味など大学の外でしか経験できない学びも大事にしてください。