教員・ゼミ紹介

社会学専攻

真鍋 公希 講師文化社会学、メディア・映像研究

専攻分野
文化社会学、メディア・映像研究
研究室
1号館2階
メールアドレス
k-manabe@sass.chukyo-u.ac.jp
ゼミウェブサイト
https://researchmap.jp/kokimanabe/
学歴
京都大学大学院人間・環境学研究科 博士後期課程 博士(人間・環境学)
所属学会・団体
日本社会学会、関西社会学会、日本映像学会

PROFILE

2023年度に中京大学現代社会学部に着任しました。1993年生まれ、香川県出身です。大学進学と同時に関西に出て、それから12年間、関西で暮らしてきました。東海圏ははじめてなので、いろいろと文化の違いも感じつつ日々を過ごしています。

HOBBY

卓球:中学から大学まで部活でガッツリやっていましたが、最近はもっぱら見るだけになってしまいました…
ランニング:大学院生のころにはフルマラソン(42.195km)を完走した経験もあります
将棋:小学生のころにハマっていて、あまり強くはありませんが、今でも時々指しています

こんな科目を担当しています。

●メディア社会学、マスコミの社会学、社会調査実習
メディア社会学とマスコミの社会学では、現在の私たちにとってとても身近なメディアや(マス・)コミュニケーションについて、社会学にとどまらず、哲学や芸術学、心理学などの知見も踏まえながら多角的に考える授業を目指しています。
社会調査実習では、現代のメディア利用を主なテーマとして、質問紙調査(アンケート)を実施しています。質問紙の作成から分析まで、学生のみなさんと議論しながら進めており、私自身も気づかされることの多い科目です。

こんなことを研究しています。

日本の特撮ジャンルの成り立ちについて、社会学的な観点から研究しています。とくに最近は、アメリカの特殊効果・視覚効果(SFX、VFX)の展開と比較しながら、特撮の「リアリティ」について考えています。どんな映像に「リアリティ」を感じるのか。素朴に考えれば、「現実そっくりの映像」のように思えますが、実は、何に「リアリティ」を感じるかは時代や地域によって異なります。その違いを生み出した社会的背景に迫ることが、現在の研究目標です。

こんなゼミをしています。

2年生のゼミでは、グループに分かれて1人1分間の動画制作を行っています。映像表現はアングルやライティング、編集のタイミングが少し変わるだけで大きく印象が変わります。現代ではスマホでいつでも気軽に撮影・編集・投稿できるようになりましたが、それゆえに、私たちはこうした映像の細部を見落としがちです。そうした細部の重要性に気づき、細部の演出を通して自分の思いを表現することに取り組んでいます。
そして、3年生と4年生では、文化やメディアに関することを中心に、学生のみなさんが関心のあるテーマを自由に設定して研究に取り組んでもらっています。自分の素朴な関心を出発点として、最終的に卒業論文へと仕上げていくことは、思っている以上に大変な作業なのですが、その分、さまざまな気づきを得ることができます。卒業研究を進めるうえで、私のゼミでは、とくに(1)先行研究となる文献をしっかりと読んで「問い」を立てること、(2)自分が立てた「問い」に答えるためにデータ(統計だけでなく文献資料も含めて)を集め、分析・考察を深めていくこと、の二点を重視しています。

教員にききました

社会学の面白さとは?

社会学の特徴としてしばしば挙げられるものの一つに、社会学的な「ものの見方」があります。簡単にいうと、普段とは違う視点から身の回りの物事を眺めてみる、ということです。普段と違う視点を取ることで、よく知っているはずの物事の意外な一面が見えてくる。すると、なんとなくモヤモヤしていたことが腑に落ちたり、自分の視野がパッと開けたように感じられたりします。社会学の面白さは、こうした経験にあると私は思っています。

現代社会学部ってどんなとこ?

現代社会学部には様々な専門の先生方がいるので、自分の関心の赴くまま、自由に学びを深めて/広げていくことのできます。ですから、大学で明確に学びたいことがある人は、きっとあなたの関心に合った先生がいると思いますし、まだ方向性が明確には決まっていない人も、大学での学びを通して自分の関心をクリアにしていくことができるでしょう。つまり、現代社会学部はどんな人でも充実した学びを重ねていける学部です。

社会学との出会いは?

学部生のころに特撮を研究したいなと思っていたとき、文学や芸術学のように作品を分析するアプローチも選択肢にあったのですが、なんだか自分のやりたいことと少し違う気がしていました。そこで、社会学のゼミにも顔を出していたら、そちらのほうが性に合っているように感じて、そのまま社会学を自分の軸にすることにしました(ただ、社会学一本に絞ったわけではなく、今でも芸術学的な映画論の勉強もしています)。

最後に一言!

高校生のみなさんへ

ときどき、「大学で社会学を勉強すると、将来どう役に立ちますか」と聞かれます。いろいろありますが、私の思う最大の答えは、「社会学の面白さ」でも述べたように、普段とは違う視点で考えられるようになるということです。一見したところ自由に思えて、人はそれぞれ、自分の習慣や好みに偏った考え方をしています。この偏りに気づき、柔軟でしなやかに、そして自由に考えられるようになる。このことは、先行きが不透明になったといわれる現代を生きるうえで、とても「役に立つ」能力だといえるでしょう。
それと同時に、より自由に考えられるようになることは、それ自体とても楽しいものであるということも忘れてはいけません。みなさんにはぜひ、この楽しさを知ってほしいと思っています。なので、先の質問に対する答えの最後には、次のアドバイスを付け足すようにしています。まずは「役に立つかどうか」という偏った考えから一歩抜け出して、自分の進路について改めて考えてみてどうですか、と。

在学生のみなさんへ

「最近の大学生は昔よりも忙しくなった」とよく言われます。実際、課題にバイトに就活にと、毎日、時間に追われている人も多いでしょう。ただ、そうして未来のために現在を「使う」だけでは、いつになっても豊饒な現在を「味わう」ことができません。まずは目の前にある充実した現在を大切にする。そして、未来に急き立てられず、立ち止まってじっくりと考える。大学ではぜひ、そんな時間も過ごしてください。