学術講演会・学術交流・法談会

日付 2009年10月20日
講演者 佐藤博史氏・菅家利和氏
タイトル 「足利事件 DNA鑑定と自白」
場所 921教室

法学部では、10月20日(火)に名古屋キャンパス9号館921教室で、足利事件の主任弁護人・佐藤博史氏と冤罪被害者・菅家利和氏を講師に招き、「足利事件 DNA鑑定と自白」と題する学術講演会を開催した。

佐藤弁護士は、初めに、事件発生から現在に至る足利事件の経緯を説明された。そして、足利事件の問題点は、信頼性が低い当時のDNA鑑定の「科学性」に幻惑されたこと、捜査機関が不当な取調べで自白を強要し、裁判所も客観的事実との矛盾に気付かずに虚偽の自白を重視して有罪を確定させたこと等にあるとされ、この冤罪の構造は現在の刑事司法にも存在すると指摘された。その上で、「法を学ぶ者は、法律の知識だけでなく人間としての感覚を身に付けることが重要だ」と語りかけられた。

菅家氏は、「刑事に取り囲まれ、髪を引っ張られたり足を蹴られたりして、朝から晩まで『お前が犯人だ』と攻め立てられ、虚偽の自白をしてしまった。支援者と真実を見抜いた弁護士のお陰で出て来られた。冤罪を招いた警察官・検察官・裁判官は、なぜ誤りを犯したかを明らかにして謝罪してほしい」と、その思いを述べられた。

足利事件再審第一回公判の前日ということもあり、多くのテレビ局・新聞社が取材する中で、大教室で立見が出るほどの多数の学生・院生・教員等が熱心に聞き入り、熱気溢れる感銘深い講演会となった。

(法学部教授・平川宗信)