人権とイスラエルのアパルトヘイト
教養教育研究院
今野 泰三 教授
現地の声から学ぶ取り組み
国家間の緊張が高まる世界で、人権を守り、平和で公正な社会を作っていくことはできるのでしょうか。今野研究室では、平和で公正な社会への道筋を展望するため、70年以上続くパレスチナ問題について現地の人々の声を聞く取り組みを行っています。
中東地域のパレスチナでは、イスラエル国が、パレスチナ人を隔離して差別するアパルトヘイト体制を敷いています。アパルトヘイト犯罪は「人道に対する罪」の1つであり、深刻な国際犯罪です。特に、この体制下で暮らすパレスチナ人女性は、様々なジェンダーに基づく暴力にさらされています。そのため、国際の平和と安全を守り、人権が保障される世界をつくるため、日本をはじめとした国際社会が共同で解決のために取り組む必要があります。
今野研究室は、関西パレスチナ研究会とともに、研究者・学生・一般市民向けに、パレスチナ人の声を聞くウェビナーを開催してきました。2021年7月に開催した「ガザ地区における国際援助と女性の権利」では、ガザ地区出身の2名を招き、国際援助のもたらす影響や女性の社会的権利について話を伺いました。「国際法から見るエルサレム問題」をテーマとするセミナーでは、現地で活動する人権専門家から、エルサレムのパレスチナ人が置かれた現状について、イスラエルによる民族浄化、人口操作、植民地化という観点から講演して頂きました。11月開催の「パレスチナにおける集団的懲罰と国際法」では、イスラエルの違法な集団的懲罰によって自宅を接収された被害者家族から、「私の家と家族の人生:なぜ私は証言するのか」についてお話を伺いました。こうした取り組みは現在も続けています。
また、過去のセミナーはYouTubeでも公開しています。是非ご覧ください。
▼関西パレスチナ研究会/Kansai Society for Palestine Studies
イスラエルが占領地に建設したアパルトヘイト・ウォール
セミナー「ガザ地区における国際援助と女性の権利」の様子
セミナー「パレスチナにおける集団的懲罰と国際法」の様子