神経筋チャートを用いたテーラーメード型の運動・食事メニューの提案
研究
2023/06/21
スポーツ科学部
渡邊 航平 教授
高密度表面筋電図法という特殊な研究手法を用いて、これまで定量的に評価することが難しいとされていた「神経」の働きを数値化する試みを進めています。「筋肉」量の測定と併用することで、運動機能を決定づける「神経」と「筋肉」の2つの面から(神経筋チャート)、その人が持っている個性であったり、運動や食事の効果を評価することができます。
これまで、小学生、中学生、高校生、大学生、中高年、高齢者、疾患者、アスリートなど様々な人々を対象にデータを蓄積し、神経と筋肉の指標は、どちらかが優れているとどちらかが劣っているというようなトレードオフの関係にあることを明らかにし、この2つで運動機能における個性が表現できる可能性をつかんでいます。また、筋力トレーニング、サプリメント、その併用が神経と筋肉の指標に別々に作用することや、トレーニングや加齢にともなう運動機能の向上や低下に対して神経と筋肉が異なる影響力を持っていることなどを発表してきました。
これらの研究成果を基に、多くの人々における健康づくり、子どもにおける健やかな発達、高齢者における介護予防、アスリートにおける競技力向上などに対して、1人1人が有する個性を十分に考慮した運動トレーニングや食事方法を科学的根拠に基づいて提案することを目指しています。
特に、シニア世代の方々に対しては、大学近隣地域に在住の方々を対象とした健康教室といったコミュニティーを主宰することで、研究のみならず有機的な繋がりを形成していくことに尽力しています。
本研究室で進めている研究の概念図
研究室が主宰するシニアコミュニティー「八事いきいきアカデミー」
最近では「保見いきいきアカデミー」も新たに開講された