所長挨拶

 中京大学法務研究所初代所長に就任いたしました。研究所紹介の方に記載されておりますが、法務研究所の前身は、中京大学法科大学院付属法曹養成研究所であります。その当初の所長は、元日本弁護士連合会副会長、元愛知県弁護士会会長の冨島照男弁護士で、その当時、中京大学法科大学院の教授に就任していました。

 法曹養成研究所は、法科大学院制度の理念である理論と実務の架橋を、研究分野でも目指す研究機関であるとともに、法曹養成方法についても研究する研究機関でありました。その後、法科大学院の廃止に際して改組され、現在の中京大学法務研究所が誕生したのです。

 したがいまして、中京大学法務研究所としては、初代所長ではありますが、法曹養成研究所時代の所長の志を受け継いでいるものです。

 ちなみに、私が主任となっている会社法判例共同研究プロジェクトでは、研究者だけでなく、愛知県弁護士会所属の弁護士に特任研究員として加わっていただき、まさに、理論と実務との架橋を目指す研究が続けられています。また、他の共同研究プロジェクトにおきましても、同様に、実務家に特任研究員として加わっていただいております。

 このように、「法律」の研究所ではなく、「法務」研究所として、机上の空論的な研究に陥ることなく、社会貢献をも意識した研究所運営を目指しています。

(池野 千白)