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出身は兵庫県・丹波の山奥です.というわけで,子供のころは野山を駆け回っていました.一転,大学生活は横浜でおくりました.専攻は機械工学で,研究室は溶融加工 (簡単にいうと金属を溶かしてくっ付ける,例えば溶接などです )をメインテーマとしていました.私自身は,溶接後の非破壊検査や溶接ロボットの視覚系に興味を持ち,取り組んでいました.検査では画像中からキズや欠陥を検出するわけですが,これを画像処理 技術によって自動化することを試みました.また,溶接ロボットでは溶接箇所や溶融状態 (金属が溶けている )をダーティーな環境下でディジタルカメラを用いて監視するわけです.これらの研究から痛感したのは,熟練した検査員や職人の方々は難なくやっている (やっているように見える )画像の認識を,コンピュータにやらせることがな んとも難しいということです.
中京大学赴任前の 4年間は豊橋技術科学大学で助手を勤めていました.所属研究室では 画像処理・認識,コンピュータグラフィックス(CG),アニメーションと機械工学科とはまた違った魅力的なテーマ群に囲まれて過ごしました.特に CG研究は,学生時代にはなかった華やかさを感じました.私自身は人間と共存するロボットを想定した視覚系の研究に取り組みました.具体的にはステレオビジョンを用いた 3次元物体の認識です.今度は熟練者に限らず誰でもが何気なく行っている物体認識の難しさを痛感させられることになりました.
これまでの研究人生を通じて,人間の画像処理・認識能力・ ”からくり ”のすばらしさと,コンピュータビジョン (CV)の難しさを思いしりました.さて,学生のみなさんも しばし私と研究人生を共有しませんか ?
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